著者
岡本 伸弘 増見 伸 水谷 雅年 齋藤 圭介 原田 和宏 中村 浩一
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.523-527, 2015 (Released:2015-09-03)
参考文献数
25
被引用文献数
1

〔目的〕栄養状態の観点から,大腿骨頸部骨折患者の歩行能力の推移と到達水準を明らかにすること.〔方法〕入院時の栄養状態を3群に区分した.各群における歩行能力の推移の検討は,Friedman検定後に多重比較検定を行った.また,歩行自立水準に到達した時期を調査した.〔結果〕歩行能力の推移について,通常栄養群は入院時から入院4週目まで増加した.低栄養リスク群は入院時から入院8週目まで増加した.低栄養群は入院時から入院6週目まで増加した.また,歩行自立に到達した時期は,通常栄養群は入院4週目,低栄養リスク群は入院8週目,低栄養群は到達しなかった.〔結語〕栄養状態に関わらず,歩行能力は回復するが,入院時に低栄養の場合は,歩行自立が遅れることが示された.
著者
岡本 伸弘 増見 伸 山田 学 有久 恵美子 兒玉 隆之
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.103-107, 2012 (Released:2012-06-13)
参考文献数
18
被引用文献数
13 3

〔目的〕当回復期リハビリテーション病院における自宅復帰に必要な因子を「FIM」を用いて検討した.〔対象〕当院に入院した患者226名とした.〔方法〕対象者の退院先を自宅(自宅群)と施設(施設群)の2群に分け,入院時および退院時FIM各項目得点を比較した.さらに,自宅群および施設群を目的変数としたロジスティック回帰分析を行った.〔結果〕自宅群では,食事を除く運動11項目で退院時に有意な増加が認められた.一方,施設群では,有意差が認められた項目はなかった.退院時FIM得点の比較では,食事を除く運動11項目および問題解決・記憶の認知2項目において自宅群が有意に高値であった.ロジスティック回帰分析の結果では,トイレ移乗・更衣下に有意なオッズ比が認められた.〔結語〕トイレ移乗および更衣下が重要な自宅復帰因子の可能性が示唆された.