著者
佐藤雅之 岡本哲也
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1978, no.17, pp.1-10, 1978-09-08

法令検索(法律情報検索)には、法令用語検索、該当条文検索、関係条文検索、改〓経過検索、判例検索などがある。現在欧米で発表されているいくつかの実用システムは、基本的には文献検索の技法を準用している段階にある。本研究は、改〓経過の検索に関連して、既存の法律(被改正令)が、その一部の改正を目的とする法令(一部改正令)に、基ずき改正される場合について、改正の内容を規定する文(改正の柱書)が慣習的に定まった書式と用語で書かれているため高度の構文分析・意味分析を必要としない点に着目し、実用化を目標に、法令の改正と改正経過(改正の種類、年月日、法律番号)の蓄積を行なうシステムを作成することを目的としている。システムは、被改正令の構造決定、一部改正令の解釈、新しい法令の生成と改〓経過の蓄積、新法令と改〓経過の出力の4つのプログラムからなる。今回は、標本として『大気汚染防止法』(昭和四十三年法律九十七号、約12800字)と『大気汚染防止法の一部を改正する法律』(昭和四十五年法律第百三十四号、約13400字)を選んで実験し(東大計算機センターHITAC 8800 8700使用)、所期の結果を得た。以下、法令の定義、システムの概要、実験結果について報告する。
著者
木村 研吾 堀 明洋 森岡 淳 岡本 哲也 芥川 篤史 浅羽 雄太郎
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.12, pp.3108-3112, 2010 (Released:2011-06-25)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

症例は35歳,女性.原因不明の腹痛で当院受診歴があった.2008年7月同様の腹痛と発熱が出現し再診.腹部造影CTでは内部に低吸収域を伴う胃壁の肥厚を認め,胃壁内膿瘍と診断し入院となった.上部消化管内視鏡検査では,胃幽門部大弯側に粘膜下病変を認めた.抗生剤投与により腹痛は消失,退院となった.2009年4月再び腹痛が出現し,再診.CTでは前回入院時と同様の所見を認め,上部消化管内視鏡検査では,同病変頂部に潰瘍と膿の排出を認めた.以上より再燃性の胃壁内膿瘍と診断,手術を施行した.病変は直径3cm大の境界不明瞭な硬結として触知し,胃部分切除術を施行した.病理組織学的検査では病変部に膵腺房細胞と拡張した導管を認め,膿瘍部では高度慢性炎症の像を呈しており,異所性膵に併発した胃壁内膿瘍と診断した.症状を伴う異所性膵は稀であり,文献的考察を加え報告する.