著者
吉尾 卓 倉沢 和宏 出井 良明 岡本 完 廣畑 俊成 簑田 清次
出版者
自治医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

1.CNSループス出現頻度の検討(栃木県モデル)栃木県3医療機関で前向きに3年間、年度毎のSLE患者数、CNSループス発症頻度と症状内訳を調査研究した。SLE登録患者は開始時719例、終了時823例、栃木県人口に対するSLE患者有病率は0.041%であった。10年度12例、11年度16例、12年度15例がCNSループスの診断を受け、半数以上がSLE発症直後に出現し、症状内訳は約7割がループス精神病であった。2.CNS ループス診断に有用なCSFcytokine/chemokine (cy/ch)の検討SLE患者でCSFと血液採取が同時に行われた52例(CNSループス陽性群30例、陰性群22例)のCSFと血清の28種類cy/ch測定を行った。陽性群のCSFIL-6、IL-8、IP-10、MCP-1、G-CSF濃度が血清の各々に比較して高値を示し、陽性群と陰性群でのこれらCSF濃度比較検討では陽性群が有意に高値を示した。特にIL-6の有意差が最も大きく、CSF IL-6濃度測定がCNSループスの診断に最も有用で