著者
橋本 光宏 小林 健一 岡本 弦 西垣 浩光 吉永 勝訓
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.11, pp.912-919, 2001-11-18
被引用文献数
5

手術を行った頸髄症56例に対し簡易上肢機能検査(STEF)を行い, 術前後の上肢運動機能を評価した.STEFは術前後で有意に改善し, 手術およびリハビリテーションの効果を評価するのに有用であると思われた.10項目の検査のうち特に検査8〜10において, 術前は低値を示したが, 術後の改善が著しかった.これらの検査は母指と示指による細かいもののピンチ動作を要求され, 手指の巧緻運動性を定量的に評価するのに有用であると思われた.STEFとJOA scoreの上肢運動機能項目は術前はSpearmanの相関係数0.70(p<0.01)にて, 術後は0.55(p<0.01)にて相関を示した.頸髄症の上肢運動機能評価において, STEFは客観的であり, 左右の上肢機能を別々に評価できるという長所がある.
著者
高田 彰人 杉浦 史郎 豊岡 毅 岡本 弦 西川 悟
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.F-124-F-124, 2019

<p>【はじめに,目的】</p><p> 不安定な面での体幹トレーニングは体幹筋の筋活動を上昇させるという報告は散見するが,実際に腰痛の予防効果を示した報告は少ない。そこで,不安定面を含むTrunk Instability Training(以下TIT)による腰痛予防効果を前向きに調査することを目的とした。</p><p>【方法】</p><p> 対象は腰痛既往のない高校男子バスケットボール選手40例とした。2017シーズンから腰痛予防を目的として毎回の練習後にTITを導入した。2017シーズンの22例(平均年齢15.9±0.8歳)はTIT介入群とし,2016シーズンの18例(平均年齢15.6±0.5歳)は対照群として,1シーズン7ヶ月間での腰痛発生状況を比較した。TITは①バランスディスク上での臀部バランス,②ストレッチポールEX(LPN 社製)上でのSit-up,③四肢伸展位でのサイドブリッジで構成した。統計処理にはカイ二乗検定を用いて,有意水準は5%とした。</p><p>【倫理的配慮】</p><p> 本研究は当院倫理委員会の承認を得て(承認番号:2430番),対象者に説明と同意を得た上で行った。</p><p>【結果】</p><p> 腰痛発生は対照群で5/18例,TIT介入群で0/22例となり,有意差を認めた(p<0.05)。</p><p>【考察】</p><p> TITは腰痛既往のない選手に対して,腰痛の発生予防を期待できる可能性が示唆された。今後は対象毎の負荷設定を含めたトレーニング内容の検討を行いたい。さらに,TITによって改善が得られる身体機能因子についても検証していきたい。</p>