著者
岡村 敬二 米井 勝一郎 鞆谷 純一
出版者
京都ノートルダム女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、戦前期、外地に存在していた図書館や資料室において活動を展開した図書館員について、その履歴や職歴、活動の実績などを総合的に調査・研究しようとするものである。その目標に掲げたのは、これら図書館員の人名辞典的なデータベースを完成させることであった。それがこの3年間の研究により、この人名辞典の過半を完成させ、それを冊子体の科研報告書として刊行することができた。そしてこの研究により、戦前期外地の図書館・調査機関で活動した図書館員の全体像をおおむね明らかすることができた。さらに、かれらが、図書館員としての仕事とは別に活動を繰り広げた文学・美術・出版・演劇などの領域にあってもその活動実態が明確となり、それらの領域の研究に対しても文献的・書誌的な貢献ができるものと考えている。
著者
新宮 学 岡村 敬二 熊本 崇 谷井 俊仁 吉田 公平
出版者
山形大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2001

(E)班「出版政策研究」では、昨年度の東洋大学で行った研究会(白山学会)につづき、平成16年10月にキャンパスプラザ京都で、(B)班「出版物の研究」と合同で研究会(下京学会)を開催した。全体で10本の研究報告が行われた。(E)班の班員の報告は以下のとおりである。報告1 清乾隆期にみる出版の権威性 谷井 俊二(三重大学)報告2 清代官界における先例情報の共有と出版 寺田 浩明(京都大学)報告3『皇明資治通紀』の禁書とその続編出版 新宮 学(山形大学)報告4 明代科挙における「試録」の「程文」をめぐる問題について 鶴成 久章(福岡教育大学)報告5 印刷文化の大衆化と地域社会の受容 五代 雄資(元興寺文化財研究所)報告6 「満洲国」の出版体制 岡村 敬二(京都ノートルダム女子大学)報告7 『欧陽文忠公集』の出版について 熊本 崇(東北大学)(E)班では、研究課題遂行のための研究方法として、それぞれの研究代表者の個別研究を基礎にしながらも、その成果を報告しあって課題の共有化を進めるための研究会を毎年に開催してきた。とくに最終年度となる今回の研究会では、研究代表者のほぼ全員が報告し、共同研究の進展と深化を図ることができた。そこで共有された認識の一端は、ニューズレター『ナオ・デ・ラ・チーナ』7号掲載の「出版政策史料集」としてまとめられている。本史料集は、時代や地域的な偏りが見られ必ずしも全般的なものではないが、これまで類例を見ない新たな試みである。さらに、その後の研究成果を補充した「東アジアの出版政策史料集」を、調整班(E)の成果報告書の中に収めた。