著者
鞆谷 純一
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.278-293, 2010-11-01 (Released:2017-05-24)

『中華民国よりの掠奪文化財総目録』は,中国側が調査した日清戦争以降の中国文化財の損失リストである。この目録には,日本軍などが,略奪したり破壊したりした文化財の名称,数量,当時の状況などが記載されている。占領期の日本政府は,目録の内容に反論し,むしろ文化財を保護したのだと主張していた。本研究は日中・太平洋戦争期の日本軍接収図書の研究の一環として,日本政府の主張を検証する。
著者
岡村 敬二 米井 勝一郎 鞆谷 純一
出版者
京都ノートルダム女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、戦前期、外地に存在していた図書館や資料室において活動を展開した図書館員について、その履歴や職歴、活動の実績などを総合的に調査・研究しようとするものである。その目標に掲げたのは、これら図書館員の人名辞典的なデータベースを完成させることであった。それがこの3年間の研究により、この人名辞典の過半を完成させ、それを冊子体の科研報告書として刊行することができた。そしてこの研究により、戦前期外地の図書館・調査機関で活動した図書館員の全体像をおおむね明らかすることができた。さらに、かれらが、図書館員としての仕事とは別に活動を繰り広げた文学・美術・出版・演劇などの領域にあってもその活動実態が明確となり、それらの領域の研究に対しても文献的・書誌的な貢献ができるものと考えている。
著者
鞆谷 純一
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.312-322, 2006

日中戦争中,北京においては,日本軍に協力する中華民国新民会が図書館等に所蔵されている抗日図書を接収した。中華民国新民会の任務は,中国民衆の親日化にあり,抗日図書の接収もその任務の一環だったのである。接収された抗日図書は,日本人図書館員の協力も得ながら,新民会によって整理され,各種の目録が作成された。