- 著者
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岡永 真由美
- 出版者
- 聖路加看護大学
- 雑誌
- 聖路加看護学会誌 (ISSN:13441922)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, no.1, pp.10-16, 2001-06-30
本研究は健康な生活を営む女性がこの子どもが最後ということに関わる状況を探索し、家族計画指導をはじめとする助産ケアに示唆を得ることを目的とした。対象者は避妊を中断することによって自然に妊娠し、出産後1年を越え、末子が小学校を卒業するまでの女性で、この子どもで最後と考えている女性とした。首都圏の自治体で活動する保健婦・助産婦に対象者の紹介を依頼し、文書と口頭にて研究協力の同意を得た11名の女性とした。半構成的面接による逐語録を継続比較法を参考として分析を行い、帰納的記述研究を行った。コアカテゴリーの【産まない性への心構え】には『妊娠しない可能性を信頼する』『妊娠に対する気持ちのゆらぎ』の2つのカテゴリーを抽出した。『妊娠しない可能性を信頼する』については《手軽な避妊》《性生活》という2つのサブカテゴリーを抽出した。『妊娠に対する気持ちのゆらぎ』には《授かれば産むと思う》《条件次第でもう1人欲しい》という2つのサブカテゴリーを抽出した。結論として、産まない性と向き合う女性と夫婦の思いを理解すること、夫婦を対象とした家族計画指導の中で夫婦の関係性としてのセクシュアリティを語り合う重要性が示唆された。