著者
田中 武夫 岡田 次郎
出版者
低温生物工学会
雑誌
凍結及び乾燥研究会会誌 (ISSN:02888297)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.71-75, 1969-09-30

透過型光学顕微鏡に装着できる冷凍顕微鏡(簡易型)を試作し,魚肉の凍結-解凍過程の直接観察ならびに魚の寄生虫(アニサキス)の低温側での致死温度の測定を試み,次の結果を得た.(1)魚肉の組織片,単離した筋細胞を用いての凍結-解凍過程の観察から,今までに得られている間接的な観察結果がほぼ誤りないことを確かめた.(2)アニサキスの致死温度はその凍る温度,すなわち-3.5〜-8.5℃(とくに-8℃前後)にあるとみなされた.