著者
阿部 広和 岡田 洋一 花町 芽生 平良 勝章 栗原 淳
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.12210, (Released:2022-05-26)
参考文献数
21

【目的】近年,感覚運動経験を重視する発達理論に基づいたアプローチへの変化が求められているが,本邦では定義がまだ明確ではない。今回,ダウン症候群を併存した脳性麻痺痙直型両側性麻痺GMFCSレベルIVの男児に対して選択的脊髄後根切断術(以下,SDR)後に感覚運動経験アプローチを行ったことで,両親の目標設定項目と粗大運動能力の改善を認めたため報告する。【症例と経過】6歳2ヶ月時にSDRを行い,その後,子どもにとって意味のある課題(遊び)で,探索に焦点を当てた能動的な問題解決,試行錯誤学習をサポートする,感覚運動経験アプローチを行った。術前の2点間では変化は見られなかったが,術後2~6ヶ月で目標設定項目と粗大運動能力で改善がみられた。また,遊び方にも変化がみられた。【結論】SDR後の感覚運動経験アプローチが,両親の目標と粗大運動能力の改善につながったと考える。
著者
岡田 洋一 石井 宏祐 松本 宏明 岡田 明日香 オカダ ヨウイチ イシイ コウスケ マツモト ヒロアキ オカダ アスカ Okada Yoichi Ishii Kosuke Matsumoto Hiroaki Okada Asuka
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.41-51, 2017-10

本研究は、アルコール臨床におけるサポートグループに関するスタッフの経験を、半構造化面接法によるインタビュー調査を通して明らかにすることを目的としている。アルコール依存症患者を主たる対象としたサポートグループに、スタッフとして参加経験のある看護師1名が調査対象者であった。現象学的分析の結果、調査対象者のサポートグループにまつわる経験が叙述された。参加メンバー、スタッフ、ファシリテーターが分け隔てなく参加する場にサポートグループがなっており、メンバーにとってはもちろんスタッフにとっても貴重な場と感じられていた。スタッフとして感情が揺さぶられるときも、サポートグループという場を守るために感情をコントロールすることができていた。回復を続けるアルコール依存症患者に出会うことのできるサポートグループは、スタッフにとって回復の希望につながる場となっていることが示唆された。The purpose of this study is to examine the lived experiences of staff involved in a support group for alcoholism care using semi-structured interviews.One nurse who had served as a staff member of an alcoholism support group was recruited as the sole participant in this study. Interview data were analyzed using a phenomenological approach. The participant's experiences of the support group were described and considered as follows.This particular support group was organized such that members, staff, and facilitators participated without distinction. For the participant, it was a place where they could interact with patients from the same line of sight.In fact, the participant felt that the support group helped promote one's growth, enabling one to interact with others on the same level. Staff often experienced unstable emotions, and the participant felt that such emotions should be controlled in order to protect the integrity of the support group.For the participant, the support group was a place where they could encounter people with alcoholism who showed continual recovery, which was inspiring. The support group seemed a place to recover hope.