著者
岡田 洋一 石井 宏祐 松本 宏明 岡田 明日香 オカダ ヨウイチ イシイ コウスケ マツモト ヒロアキ オカダ アスカ Okada Yoichi Ishii Kosuke Matsumoto Hiroaki Okada Asuka
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.41-51, 2017-10

本研究は、アルコール臨床におけるサポートグループに関するスタッフの経験を、半構造化面接法によるインタビュー調査を通して明らかにすることを目的としている。アルコール依存症患者を主たる対象としたサポートグループに、スタッフとして参加経験のある看護師1名が調査対象者であった。現象学的分析の結果、調査対象者のサポートグループにまつわる経験が叙述された。参加メンバー、スタッフ、ファシリテーターが分け隔てなく参加する場にサポートグループがなっており、メンバーにとってはもちろんスタッフにとっても貴重な場と感じられていた。スタッフとして感情が揺さぶられるときも、サポートグループという場を守るために感情をコントロールすることができていた。回復を続けるアルコール依存症患者に出会うことのできるサポートグループは、スタッフにとって回復の希望につながる場となっていることが示唆された。The purpose of this study is to examine the lived experiences of staff involved in a support group for alcoholism care using semi-structured interviews.One nurse who had served as a staff member of an alcoholism support group was recruited as the sole participant in this study. Interview data were analyzed using a phenomenological approach. The participant's experiences of the support group were described and considered as follows.This particular support group was organized such that members, staff, and facilitators participated without distinction. For the participant, it was a place where they could interact with patients from the same line of sight.In fact, the participant felt that the support group helped promote one's growth, enabling one to interact with others on the same level. Staff often experienced unstable emotions, and the participant felt that such emotions should be controlled in order to protect the integrity of the support group.For the participant, the support group was a place where they could encounter people with alcoholism who showed continual recovery, which was inspiring. The support group seemed a place to recover hope.
著者
高橋 恵子 田松 花梨 松本 宏明 鮎川 順之介 今泉 紀栄 三道 なぎさ 柳生 奈緒 栗田 裕生 長谷川 啓三 若島 孔文
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.3-17, 2012-07-21 (Released:2017-07-21)
被引用文献数
1

東日本大震災の発災後に被災者自身の手によって行われた「震災川柳」の取り組みについて、参加者が震災川柳の心理的効果をどのように認知していたかを明らかにし、今後の災害後の心理的支援を検討する手がかりを得ることを目的とする。本研究は、調査1(インタビュー調査)と調査2(質問紙調査)によって構成される。調査1では、震災川柳の役割には5つのカテゴリーがあることが示され、さらに、個人内/個人間において効用を持つことが考えられた。さらに調査2では、震災川柳を自ら詠む人(投稿参加)と発表される川柳を聞く人(傍聴参加)という参加形態と、心理的効果の認知との関連を検討した。その結果、投稿参加、傍聴参加ともに、震災川柳により「明るい気持ちになる」ことが分かった。これらのことから、震災という非常事態において、震災川柳が心理的支援の一つの形態として有効である可能性が示唆された。
著者
高橋 恵子 田松 花梨 松本 宏明 鮎川 順之介 今泉 紀栄 三道 なぎさ 柳生 奈緒 栗田 裕生 長谷川 啓三 若島 孔文
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.19, pp.3-17, 2012-07-21

東日本大震災の発災後に被災者自身の手によって行われた「震災川柳」の取り組みについて、参加者が震災川柳の心理的効果をどのように認知していたかを明らかにし、今後の災害後の心理的支援を検討する手がかりを得ることを目的とする。本研究は、調査1(インタビュー調査)と調査2(質問紙調査)によって構成される。調査1では、震災川柳の役割には5つのカテゴリーがあることが示され、さらに、個人内/個人間において効用を持つことが考えられた。さらに調査2では、震災川柳を自ら詠む人(投稿参加)と発表される川柳を聞く人(傍聴参加)という参加形態と、心理的効果の認知との関連を検討した。その結果、投稿参加、傍聴参加ともに、震災川柳により「明るい気持ちになる」ことが分かった。これらのことから、震災という非常事態において、震災川柳が心理的支援の一つの形態として有効である可能性が示唆された。