著者
佐藤 誠 甲斐 創 梓沢 曜平 土屋 隆 岡田 直紀 高橋 一徳
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.J2-J5, 2016 (Released:2015-12-21)
参考文献数
1

日本テレビの制作現場では,音楽番組やドラマでの演出として映像の回転効果や,ロードレース番組で移動中継車の走行の揺れによる映像のブレを軽減させたいといった要望がある.映像の回転については,カメラの光学ブロックを物理的に回転できる専用のカメラを独自に開発しており,映像のブレ軽減については,移動中継車等にカメラの防振台を搭載し使用している.何れも機能としては高性能であるが,専用の高額な機材であるため,運用面,コストおよびメンテナンス性の点で課題があり,簡易に使用できる機器の開発が求められていた.今回,専用の回転カメラやカメラ防振台が使用できない状況でも,4Kカメラ等の信号から映像信号処理で回転やブレ補正を行い,HD信号として出力できる装置を開発した.今まで,機材やコスト面で運用制限を受けていた撮影現場での利用や,予備系システムとしての構築利用にも期待している.
著者
加藤 友規 岡田 直紀 村田 康博 上居 清之 浦野 丈治 恒川 尚
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.27, no.14, pp.33-35, 2003-02-21

日本テレビでは、日本テレビ系列で中継されるお正月の恒例番組『箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)』と連動し、視聴者が番組を見ながら携帯電話で参加できる双方向イベント『箱根駅伝ケータイクイズ』を実施した。『箱根駅伝ケータイクイズ』では、極めてリアルタイム性の高い参加型コンテンツを多数の視聴者に届けるために、最大1万5千人規模の視聴者のアクセスを同時処理可能な双方向サーバを利用すると共に、スタジオ内でリアルタイムでコンテンツ生成を行なうシステムを構築・運用した。その結果について報告する。
著者
岡田 直紀 渡辺 政成 井出 茂 須山 敦行
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第126回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.850, 2015 (Released:2015-07-23)

福島県双葉郡の木戸川および富岡川の水系において採取したヤマメ,イワナと水生昆虫の放射能を調べた.調査地は福島第一原発から南西20-25 kmの範囲にある。魚は2014年6月に,昆虫は6月と7月に採取し,乾燥,粉砕後,Ge半導体検出器を用いて134Csと137Csのγ線を計測した.木戸川本流のヤマメ(n=42)とイワナ(n=16)の測定平均値は134Csと137Csの合計でそれぞれ183,219 Bq/kg乾重の値を示した.生重換算ではおおむね100 Bq/kgを下回っていた.集水域にホットスポットをもつ支流の魚では放射性セシウム濃度が高く,最も高かった戸渡川のヤマメとイワナ全体(n=15)の平均値は538 Bq/kg乾重を示した.水生昆虫は測定に十分な量を採取することが難しかったが,測定できたカワゲラ,ガガンボ,ヘビトンボでは137Csが120-440 Bq/kg乾重の範囲にあった.しかし,魚の胃内容物を調べると水生昆虫の他に陸生の甲虫,アリなどが多数見られ,こうした陸生昆虫を通じた放射性セシウムの濃縮の可能性が示唆された.また,魚の体重と放射性セシウム濃度には弱い正の相関が見られ,体サイズによる餌の違いが示唆された.
著者
中井 渉 岡田 直紀 大橋 伸太 高野 成美
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.124, 2013

菌類の子実体からは放射性セシウムが植物などと比べて高濃度で検出され、その中でも菌根性のものからは腐生性のものと比べて放射性セシウムが高濃度で検出されることが知られている。植物の中には、菌根を形成して菌類と共生し物質のやり取りを行うものがいる。放射性セシウムを高濃度に含む菌類と共生した場合、植物体の濃度にどのような影響が出るのかを調べるために、外生菌根形成樹種とそれ以外の樹種について当年枝より葉を採取し、137Csの濃度を比較した。調査は福島第一原発から約20kmに位置する福島県川内村の森林2箇所で、2012年7月から2012年11月にかけて行った。樹木葉、菌類子実体の他に、移行係数による比較を行うために土壌サンプルも同時に採取した。菌類子実体についてはこれまで知られている通り、菌根性のものは腐生性のものより高い移行係数の値を示した。樹木葉については、採取した14種において外生菌根形成樹種とそれ以外の樹種とを比較したところ大きな差は見られなかった。
著者
林 拓也 岡田 直紀
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第127回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.413, 2016-07-08 (Released:2016-07-19)

【背景・目的】 福島第一原子力発電所の事故後、大量の137Csが放出され森林に沈着した。菌類子実体中には高濃度の137Csが集積し、属間で集積の程度が異なることが報告されている。その要因のひとつとして、土壌中の菌糸の垂直分布の違いが指摘されている。この点を確認するため本研究では安定同位体を用いて菌糸の土壌中垂直分布と子実体中放射性セシウムの吸収源を推定することを試みた。【方法】 福島県川内村の広葉樹林(原発より約20km)にて外生菌根菌と腐生菌、合わせて約90試料と、リター層と腐植層および鉱質土壌を2 cmごとに深さ30 cmまで採取した。子実体試料は乾燥後に粉砕、土壌試料は風乾し、それぞれの安定同位体比(δ13C、δ15N、δ34S )および137Cs濃度を測定した。【結果】 土壌のδ13C、δ15N、δ34Sはいずれもリター層と腐植層で最も小さく、鉱質土壌では深くなるにつれて大きくなった。子実体中の安定同位体比と137Cs濃度は属間および種間で差が見られた。腐生菌よりも外生菌根菌の方がより深い土壌層に菌糸が分布することが安定同位体の値から示唆されたが、子実体中の137Cs濃度とは必ずしも対応していなかった。
著者
北山 兼弘 岡田 直紀 清野 達之 蔵治 光一郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

赤道付近では、東西太平洋を結ぶ大気循環であるウォ-カ-循環によって、対流圏に沈降逆転層が形成される。沈降逆転層付近では気流の沈降による強い乾燥が生じ、植物に大きな乾燥ストレスを与える。本研究では、沈降逆転層の高度や乾燥の強さがどのように植物に影響を与えるのかを解明した。西太平洋ボルネオ島の熱帯高山では森林限界が高標高(3,300 m)に、東のガラパゴス諸島では森林限界が低標高(1,000 m)に出現した。また、森林限界は、どちらにおいても最も強い乾燥が生じる標高の下限と一致していた。このことから、ウォ-カ-循環における沈降逆転層の存在が森林限界の決定に強く関わっていることが示唆された。