著者
岩佐 安
出版者
日本ペドロジー学会
雑誌
ペドロジスト (ISSN:00314064)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.53-58, 1959-12-30

A grayish white concretion was taken from the G horizon of a paddy soil developed on the Abe river plain. It was examined by physical and chemical analyses, D. T. A. and X-ray diffraction. From the results obtained, it was concluded that the sample was dominated by siderite (FeCO_3). The sample was crushed and divided into 2 fractions. One fraction was added in water and kept in the constant temperature (28℃), and another kept in room temperature under dry condition. After 35 days, each fraction was again examined by X. R. D. and D. T. A.. It was seen that much more goethite (Fe_2O_3・H_2O) was formed from siderite under the wet condition, but little under the dry condition.
著者
岩佐 安
出版者
日本ペドロジー学会
雑誌
ペドロジスト (ISSN:00314064)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.53-58, 1959-12-30 (Released:2018-06-30)

A grayish white concretion was taken from the G horizon of a paddy soil developed on the Abe river plain. It was examined by physical and chemical analyses, D. T. A. and X-ray diffraction. From the results obtained, it was concluded that the sample was dominated by siderite (FeCO_3). The sample was crushed and divided into 2 fractions. One fraction was added in water and kept in the constant temperature (28℃), and another kept in room temperature under dry condition. After 35 days, each fraction was again examined by X. R. D. and D. T. A.. It was seen that much more goethite (Fe_2O_3・H_2O) was formed from siderite under the wet condition, but little under the dry condition.
著者
岩佐 安
出版者
日本ペドロジー学会
雑誌
ペドロジスト (ISSN:00314064)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.14-24, 2018-06-30

本土壌はカンボディアに広くみられる砂質沖積土壌と呼ばれる地域内にみられるものである。土壌母材は中生代の砂岩に由来しており,主に石英砂からなっている。本土壌の分布している地域の気候はカンボディアでもっとも高温で雨量の少ない地域に属している。本土壌は黄橙色をしめす砂質な腐植集積のきわめて少ない土壌で断面全体に斑紋およびpisolite concretions ("buck-shot")がみられ,下層にはplinthiteがみられる。pH(水)はB_<2g>, B_3C_g層を除き低い値をしめし,塩基状態も劣悪である。Al_2O_3やFe_2O_3の表層から下層への移動も弱度ではあるがみられる。一次鉱物は,主として石英からなり,有色鉱物はほとんどみられない。粘土鉱物は,カオリン鉱物が主なものであり,それにバーミキュライト,雲母鉱物,バーミキュライト/雲母鉱物,モンモリロナイト,クロライト(?)からなっている。本土壌はpolygenetic soilsであり,地下水ラテライト性土壌とRed-yellow podzolic soilsの諸特徴を兼ねそなえたregosolicな土壌である。なお,本報告をまとめるに当って,論議・検討に応じて下さった農林省農業技術研究所三土正則・渡辺裕両博士に感謝の意を表しておきたい。〔本土壌の現地調査は1969年8月農林省東北農業試験場山下鏡一氏とともに実施したものである。同氏に対しここに感謝の意を表しておきたい〕。
著者
近藤 錬三 岩佐 安
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.231-239, 1981-11-15
被引用文献数
4

ブラジル,アマゾン地帯に分布する腐植質黄色ラトソルの高腐植量の表層が,どのような土壌生成過程および土壌環境下で形成されたかは明らかでない。この点に関して,多くの仮説が唱えられているが,われわれは植物種の相違も要因の一つであったと推測し,腐植質黄色ラトソルとその隣接地に分布する黄色ラトソルの生物起源ケイ酸体組成およびその量について比較検討した。得られた結果を要約するとつぎのとおりである。1)腐植質黄色ラトソルおよび黄色ラトソル表層の生物起源ケイ酸体量は0.54〜0.91%の範囲にあり,両土壌の間でさほど相違は認められなかった。2)腐植質黄色ラトソルおよび黄色ラトソル中で高頗度に分布するケイ酸体は,ヤシ科植物起源で全生物起源ケイ酸体の約30〜70%を占め最も多く,ついでイネ科草本類起源,樹木起源のケイ酸体の順であった。3)全生物起源ケイ酸体に占めるイネ科草本類由来のケイ酸体の割合は,両土壌の間でかなり相違が認められた。すなわち,腐植質黄色ラトソルは黄色ラトソルの約3〜4倍のイネ科草本類由来のケイ酸体を含有していた。4)腐植質黄色ラトソルA層のヤシ科植物起源の変質ケイ酸体の多くは熔融していたが,黄色ラトソルおよび腐植質黄色ラトソルB層のそれは正常な風化過程によって「あばた状」の表面を有していた。5)腐植質黄色ラトソルのみにmono-axon型の海綿骨針が観察され,それは一時的にせよ湿った環境下にあったことを示している。以上の結果から,腐植質黄色ラトソルは高草木の強い影響,および一時的に湿った土壌状態下で発達してきたものと考えられる。