著者
岩堀 源五郎 原 利男
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1975, no.43, pp.39-43, 1975-08-15 (Released:2009-07-31)
参考文献数
2
被引用文献数
3

下級煎茶の最適火入れ条件を究明するため,回転型火入れ機を用い,茶火入れ中の茶温と品質との関係を調査し,凍のような結果を得た。(1) 下級煎茶の火入れ条件としては,取り出し時の茶温が110~120℃が良好な火入れで,温度範囲が狭いことが認められた。(2) 火入れ茶のHead space Vaporの香気成分の分析結果から,火入れによってジメチルサノレファイドが増加し,取り出し時の茶温約120℃くらいの時にジメチルサルファイド含量が最高となるような傾向が認められた。(3) 取り出し時の茶温と茶の表面色の関係を調べた結果,110℃以下ではほ:とんど変化はないが,それ以上に温度が上がると変化が激しく,とくに,120℃を越えると著しく褐変した。なお,この実験に際し,茶温測定の御指導をいただいた申野不二雄機械研究室長ならびにHead space Vaporのガスクロマトグラフによる分析に御助力いただいた土壌肥料研究室の池ヶ谷賢次郎技官ならびに製茶第3研究室の久保田悦郎技官に深く感謝いたします。
著者
上野 健二 杉山 春喜智 斎藤 弘 岩堀 源五郎
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1958, no.12, pp.59-73, 1958-11-30 (Released:2009-07-31)
参考文献数
2

1.セイロンより輸入したC.C.C型シングルアクション揉ねん機による,ブロークン型の紅茶の製造法につき,はさみ摘原葉を用いて,1955~1957年にわたり試験した。2.この機械の基本的な操作方法としては,生葉投入量はインド,セイロン等における手摘原葉の場合に比し約20%減で,生葉換算113kg(萎凋程度3G~35%)が適当と認められた。この投入量に対しては,回転数は43rpm,揉ねん時間は第1回揉ねん40分,第2回揉ねん30分が良好であつた。3.回転数と揉ねん時簡との間には密接な関係があるので,特にこの点に関して再調査を行つたが,回転数を43rpmとし第1回揉ねんを40~50分(第2回揉ねん30分)とした時が最も適当で前の成績を確認した結果となつた。4.揉ねん機の合理的な使用法を明らかにするため,普通型の揉ねん機と組み合せて比較した結果,第1回揉ねんに従来型の揉ねん機を使用し,第2回揉ねんにおいて,本機により強圧揉ねんすることが効果的であることがわかつた。5.揉ねん中の茶温の上昇が製茶品質に影響することが大きいと思われたので,1回の加圧時間を短くし重圧のかけはずしの回数を多くして試験した結果その欠点を防ぐことができた。また第1回揉ねんに普通型揉ねん機を使用するかわりに,本機を無加圧で使用しで試験し,投入量113kg,回転数毎分43回の場合,揉ねん時間を多少長くして,第1回50分,第2回40分とすることによつて目的を達することを認めた。