著者
岩崎 允胤
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1958, no.8, pp.58-69, 1958-03-31 (Released:2009-07-23)
参考文献数
26

均衡は哲学的カテゴリーであるから、その内容を普遍的に把握するとともに、真理性の限界を正しく認識せねばならぬ.たとえば、力学的概念を一般化したり、これを絶対化してはならない.あとで述べるように, わたくしは、均衡は、客観的だが、相対的で、物質の弁証法的運動の一契機である.という見方が、基本的に正しいと考える.だが、均衡概念は、しばしば、これとは異った見方によって使われている.たとえば、ワルラス、パレートに始まる一般均衡理論の場合で、わが国においては、中山、東畑、高田氏らによってつとに導入され、経済学の一派を形成しているものである.他方、均衡概念は、かつて、マルクス主義の修正という形で、ボグダーノブ、とくにブハーリンによって援用された.わたくしは、これらの理論における均衡概念を検討し、両理論の連関も考えてみたい.その検討の結果、いずれの均衡論においても、力学的概念の一般化と、絶対化がおこなわれていることが明らかとなり、マッハ主義との結び付きも示されるだろう.さいごに、均衡概念をどのように把握するのが正しいか、について簡単にでも考察してみよう.
著者
岩崎 允胤
出版者
北海道大學文學部
雑誌
北海道大學文學部紀要 (ISSN:04376668)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.71-93, 1971-03-30
著者
岩崎 允胤
出版者
日本西洋古典学会
雑誌
西洋古典學研究 (ISSN:04479114)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.68-82, 1958-05-10

アリストテレスは矛盾律と排中律を定式化した入として知られるが,彼はまた運動の論理について鋭い考察をおこなつている.本稿は,形式論理學と辮證法的論理學との關係をアリストテレスにまで遡つて,とくに矛盾律・排中律と運動の論理との關係を検討しようとするものである.