著者
岩本 茂子 諏訪 博彦 太田 敏澄
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2012年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.311-314, 2012 (Released:2013-01-30)

ソフトウェア開発会社の社内つぶやきシステムを分析して報告する.対象企業ではこのつぶやきシステムが,業務とは独立したインフォーマルなコミュニケーションの場として,本社勤務者の他に地方勤務者や客先勤務者にも長期にわたり継続使用されている.このシステムのつぶやきに出現する用語を解析し、話題を抽出する。この話題の変化と残業時間の関係を探ることで、残業時間の数字には表れない兆候を探ることが出来ると考える。話題の推移の安定状態からの乖離状況と残業時間との相関を調べることで、前向きに頑張れている状態なのか、休養が必要な状態なのか、そのような兆候を把握することを試みる。さらに,つぶやきにおける話題の変化の可視化を試みる.
著者
岩本 茂子 小川 祐樹 諏訪 博彦 太田 敏澄
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.1-15, 2019-03-31 (Released:2019-05-01)
参考文献数
24

本研究は,組織内つぶやきシステムがもたらす効用を仮説構築的なモデルとして提示することを目的とする。ある企業において導入された企業内つぶやきシステムは,インフォーマルコミュニケーションの一手段として長期間利用されている。ソーシャルメディアなどでつぶやくことによる効用として,自己効用や関係効用など,様々な効用が指摘されているが,企業内に特化したつぶやきシステムに関する研究は見当たらない。労働者のストレスや不安の解消は,企業内の課題であるとともに,大きな社会問題であり,つぶやきシステムがもたらす効用を明らかにすることは意義がある。我々は,対象の企業内つぶやきシステムのユーザに対し,半構造化インタビュー調査を行い,つぶやきシステムがもたらす効用を仮説構築的なモデルとして提示した。具体的には,半構造化インタビューに基づいて得られた内容を,KJ法を用いて整理し,8個の要因に集約した。さらに,先行研究の知見に基づいてそれらの要因の関連付けを行うことで効用-課題-効果モデルを仮説構築的なモデルとして提示した。その結果,企業内つぶやきシステムがつぶやきの受発信を促進する場を構築し,その場の上で関係構築,社会的スキル向上,ストレス軽減の効用をもたらすことが期待できることを示した。また,企業内つぶやきシステムが情報共有促進,没個人の抑制,モチベーション低下の抑制の効果をもたらすことが期待できることを示した。