著者
忽那 史也 上野 未貴 徳田 昌紘 岩永 洋 堤 圭介
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.224-230, 2021 (Released:2022-03-29)
参考文献数
20

一過性脳虚血発作様症状で発症し,家族歴から遺伝的要因が考えられる1例を経験した.症例は26歳男性.8歳時にも類似の病歴がある.突然の構音障害,嚥下障害を発症したが数時間で軽快した.翌日,同様の症状が再発し当科へ入院した.症状は2時間で軽快したが,MRIで両側深部白質にDWI高信号域を認めた.後日画像所見の消失を確認し可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎/脳症(mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion,以下MERSと略記)と診断した.同胞に同様の臨床経過を示すMERSの既往があり,MERS発症機序の一因として遺伝的要因の関与が示唆された.
著者
岩永 洋平
出版者
地域活性学会
雑誌
地域活性研究 = Journal of the Japan Association of Regional Development and Vitalization\n (ISSN:21850623)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.15-24, 2020-03-31

旅行者の観光経験とその後の行動が、リピート意向にどう影響するか。観光が地域愛着、地域コミットメントを喚起して関係人口を形成するか。国内旅行者、約2万人の調査によって検証した。国内人口はシュリンクする上、インバウンドの流入も無限ではない。また地方人口の減少のなか、地域への愛着を持って支える「関係人口」の形成が求められている。調査データに共分散構造分析を適用したところ観光経験から直接というより、地域コミットメントを介して再訪意向が起きていた。その地域コミットメントは訪問時のリレーション経験や旅行後の情報受発信、産品の消費で喚起されていた。旅先のもてなしにより地域愛着が高まり、ボランティア実践や移住検討に至ったサンプルも現れた。リピート促進のためには現地でのリレーション経験の提供と、旅行後のアプローチで地域コミットメントを高める必要があるとの示唆を得た。