著者
石塚 悠一 岩沼 宏治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.718, pp.1-8, 2000-03-22

近年、AI研究の分野ではマルチエージェント型ゲームであるサッカーの研究が盛んに行なわれている.しかし、サッカーゲームは不完全情報下での実時間分散協調システムとしては、考慮すべき他の要因が多過ぎて現段階では系統的な研究・考察が困難である.そこで、本稿では不完全情報下における推論と、エージェント間の協調性の2つの問題点を含む単純化したマルチエージェント型テニスゲームを作成する.不完全情報下で協調性の有無や環境の違いにより結果にどのような相違が生まれるかを実験を通して比較・考察する..
著者
坂本 悠 山本 泰生 岩沼 宏治
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.23, pp.1-6, 2012-06-21

近年,遺伝子制御系,シグナル伝達系や代謝系などの生体機構をひとつのシステムとして再構築する研究が進められている.実験機器のハイスループット化に伴い,生体システムに関与する観測データは急速に増加しており,システムと観測データ間の整合性を組織的に検証する技術が必要となってきている.本論文では,遺伝子制御系のようなネットワーク形式で表現される生体システムを多値論理の枠組みでモデル検査する手法を提案する.また酵母のグルコース抑制機構に関する生体ネットワークに対して本手法を適用した結果を報告する.Recently, a systematic approach has been evolved in biology to reconstruct biological mechanisms involved in genome, proteome and metabolome into one whole system. Along with high-throughput experimental tools like microarrays, it is required to analyze the consistency between a large amount of data and those reconstructed systems. In this paper, we propose a qualitative way with multiple-valued logic that enables to systematically evaluate those systems that are represented as networks, like gene regulatory networks. This paper also reports preliminary experimental results obtained by applying our technique to a biological network on the glucose repression system of S. cerevisiae.
著者
藤平 光壮 岩沼 宏治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.96, no.77, pp.17-24, 1996-05-24

逐次型探索において, 探索の順序は極めて重要である. PTTP型定理証明においては, ゴールの順序が探索の順序を決定する. ゴールの順序により探索空間の大きさが変わってしまう. 本研究では, 証明を開始する前に各リテラルの探索空間コストをある程度予測し, 探索空間が小さくなるようにリテラルの並び換えを行なう. 並び換えの方法をいくつか提案し, 実装, 性能評価実験, 他の証明器との比較実験を行なった.
著者
鍋島 英知 岩沼 宏治 井上 克巳
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.4_146-4_160, 2012-10-25 (Released:2012-11-25)

命題論理の充足可能性判定問題(SAT問題)を解くソルバーは,その飛躍的な性能向上に伴い,システム検証やプランニング・スケジューリング問題,制約充足・最適化問題等の様々な分野において活躍している.GlueMiniSat 2.2.5は,単位伝搬を促し矛盾の発生を促進する学習節を積極的に獲得する戦略に基づくSATソルバーである.学習節の評価尺度には,AudemardとSimonが開発したSATソルバーGlucoseで導入されたリテラルブロック距離を改良した尺度を用い,単位伝搬を促進する学習節を獲得・保持する.また良い学習節の獲得を促すため,非常に積極的なリスタート戦略を採る.我々は代表的SATソルバーであるMiniSat 2.2を基にこれらの手法を実装し,GlueMiniSat 2.2.5を開発した.GlueMiniSat 2.2.5は充足不能性の証明に強く,SAT 2011競技会のApplication部門において逐次型ソルバーとしてUNSATクラスで1位,SAT+UNSATクラスで2位を獲得している.また並列型ソルバーを含めても同部門UNSATクラスで2位を獲得している.
著者
小谷 忠史 中村 正人 岩沼 宏治 鍋島 英知
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.67, pp.99-106, 2002-07-18

現在Webへのアクセス法としてPDAなど携帯端末の利用が増えてきている.PDAはWebページを何時でも何処でも表示できる利点があるが,幾つかの問題もある.小さな表示画面,遅い通信速度,操作性の悪さの問題などにより,PDAによって欲しい情報を即座に簡単に得るのは難しい.本論文ではWeb ページの時間的差分データの表示を念頭において,ユーザがWebページの表示する部分を事前に指定して,その部分の最新の差分情報を即座に容易に表示する手法を提案・考察する.また以上を実現する時間的差分データ監視・表示システムを実装し評価したので報告する.Access to World-Wide-Web (Web) by Personal DigitalAssistants (PDAs) has been increasing.PDAs can browse Web site WithPDAs anywhere at any time, but there are some difficult problems.For example,PDA's screen size is rather small, the transmission speed isconsiderably low and PDA's usability needs to be still improved.Therefore it is difficult for a user to get his information easily andquickly.To solve those problems,we study how to display some parts ofa Web page, which a user wants to watch continuously. In this paper wepropose a system which asks a user preliminarly which parts of a Webpage should be displayed on a PDA's display. This system continuously tries to detect the temporal difference of the target pages, and informs the user about the detected difference with PDAs in the appropriate form.
著者
原尾 政輝 岩沼 宏治
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.41-53, 1991-01-14
被引用文献数
6

ある言語におけるユニフィケーション問題とは,その言語の任意の項t_1,t_2が与えられたとき,σ(t_1)=σ(t_2)となる置換(ユニファイア)σが存在するか判定する問題である.ユニフィケーションは,定理証明の機械化や記号処理等と関連して重要である.本稿では,高階論理における項のユニフィケーションについてアルゴリズム論的立場から考察する.一般に,2階以上の項のユニフィケーション問題は決定不能であるが,いくつかの制限付き導出規則の下でユニフィケーション問題が可解となることを示す.また,実用上有用な2階のクラスについて,計算の複雑さがNP-完全となるものが存在することを示す.
著者
佐藤 健 井上 克巳 岩沼 宏治 坂間 千秋
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.27-35, 2003-01-24
被引用文献数
1

現在のマルチエージェントシステムでは,エージェントが他エージェントに質問を与えた場合に, 質問を受けたエージェントが答を返すまでは, 質問したエージェントの処理は中断されることが普通である. インターネットのような通信が必ずしも保証されていないような環境下においては, このような中断がデッドロックを引き起こすことがありうる.また, たとえ通信が完全であっても, 他エージェントの処理に時間がかかっていれば、通信が不完全な状態と同じような状態になることがありうる. 本論文は、このような通信が必ずしも保証されていないマルチエージェントシステムにおける分散問題解決の手法を与える. 本手法は, 質問に対するデフォルトの回答を用意しておき, 回答が戻らなくても, デフォルトを用いて計算を進め, その後, 送られてきた真の回答がデフォルトと異なるときのみ, 計算をやり直すというものである. 本論文では, マスタースレーブマルチエージェントシステムにおいて,副作用が存在しない処理での投機的計算手法を仮説論理プログラミングの枠組みで実現し, 手法の健全性を示す.
著者
村田 順平 岩沼 宏治 大塚 尚貴
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.464-474, 2010 (Released:2010-04-06)
参考文献数
19

In this paper, we propose new methods and gave a system, called IFMAP , for extracting interesting patterns from a long sequential data based on frequency and self-information, and experimentally evaluate the proposed methods in the application of handling a newspaper article corpus.Sequential data mining methods based on frequency have intensively beenstudied so far. These methods, however, are not effective nor valuable for some applications where almost all high-frequent patterns should beregarded just as meaningless noisy patterns. An information-gain concept is quite important in order to restrain these noisy patterns, and was already studied for integrating it with a frequency criteria. Yang et.~al. gave a sequential mining system InfoMiner which can find periodic synchronous patterns being interesting and well-balanced from the both view-points of frequency and self-information. In this paper, we refine and extend the InfoMiner technologies in the following points: firstly, our method can handle ordinary, i.e., asynchronous and non-periodic patterns by using a sliding window mechanism, whereas InfoMiner cannot; secondly we give several combination measures for choosing valuable patterns based on frequency and self-information, while InfoMiner has just one measure which, we show in this paper, is not appropriate nor effective for handling newspaper article corpora; thirdly, we proposed a new unified method for pruning the search space of sequential data mining, which can uniformally be applied to any combination measures proposed here. We conduct experiments for evaluating the effectiveness and efficiency of the proposed method with respect to the runtime and the amount of excluding noisy patterns.
著者
芦澤 宏樹 茅野 康臣 岩沼 宏治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.94, no.374, pp.63-68, 1994-11-25
被引用文献数
1

Stickelにより開発させたPTTPは一階論理コンパイラであり、証明すぼき一階論理式が与えられると、その上のトップダウン型の演繹を模倣する高速なPrologプログラムを出力する。本研究では、より高速な定理証明システムの構築を目指して、分散処理型のPrologコードを生成する一階論理コンパイラを構築する。生成コードは、LANで結合されたWS群の上で実行される。オーバーヘッドを軽減するため、分散処理の基的形態は極めて単純なものを採用している。幾つかの問題について性能評価実験を行なった結果、線形台数効果の確認等、良好な結果を得たので報告する。