著者
岩波 保則 池田 哲夫
出版者
Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子通信学会論文誌. A (ISSN:03736091)
巻号頁・発行日
vol.J60-A, no.6, pp.505-512, 1977-06-20

従来の研究により,各種のデータ伝送システムに対する誤り率特性の解析は,広範になされてきており,多くの雑音に強い最適受信システムが考えられてきている.ただその際,妨害雑音のモデルとしては,ガウス雑音を対象にしたものが非常に多く,ガウス雑音に対する誤り率の算定は,現在ほぼなされたといえる.しかし,無線回線を用いた実際のディジタル通信システムにおいては,ガウス雑音よりもむしろインパルス雑音の影響が大きいことは経験上良く知られている.インパルス雑音に対する誤り率特性の解析についてもPSK,DPSKなどのベースバンド信号に対しては行われてきているが,無線回線用の周波数変調方式であるPSK-FM方式などについては,まだ行われていない.誤りを起す原因となる雑音には,インパルス雑音やガウス雑音のほかにも考えられるが,ここでは,インパルス雑音とガウス雑音のみを仮定し,それらを別々にPSK-FM信号に相加したときの誤り率特性を求め,更にそれらから,PSK-FM方式のインパルス雑音とガウス雑音に対する誤り率特性を2つの誤り率の重ね合せという方法により評価する.
著者
石神 裕丈 下津 真由美 岩波 保則 岡本 英二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.119, pp.137-142, 2006-06-15
被引用文献数
2

本稿では,高速・大容量通信を行うためにMIMO-OFDM固有モード伝送を用いた場合について,ハイブリッドARQ方式のスループット特性の向上を目的とし,ビットLLRパケット合成に基づく適応変調方式につき検討した.64QAM,16QAM,QPSKを変調方式として用いた2種類の適応変調方式を提案し,各固有チャネルにおけるPER特性に基づく適応変調変調方式をType-A,スループット特性に基づく適応変調方式をType-Bとした.またLDPC符号化ハイブリッドARQ方式として,それぞれ符号化率約0.8及び0.5のLDPC符号を用いたType-I及びType-IIハイブリッドARQ方式についても検討した.
著者
下津 真由美 岩波 保則 岡本 英二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.121, pp.59-64, 2005-06-10
被引用文献数
2

本稿では、MIMO固有モード伝送におけるLDPC符号化適応変調Hybrid ARQ方式を提案し、計算機シミュレーションによりそのスループット特性を評価した。提案方式では、適応変調として16QAM変調とQPSK変調を用いて、各固有モード通信路を通し独立伝送又は並列伝送するなど8段階の変調方式を設定し、受信SNRの閾値に基づいてこれら変調方式を切り換える。またLDPC符号化Hybrid ARQ方式として符号化率約1/2のLDPC符号を用いてType-II Hybrid ARQ方式を検討した。なお、以上の各方式において、伝送容量が最大となるように各固有モード通信路に注水定理に基づいて送信電力配分を行っている。