著者
生島 博之 岩田 郁子
出版者
愛知教育大学教育実践総合センター
雑誌
愛知教育大学教育実践総合センタ-紀要 (ISSN:13442597)
巻号頁・発行日
no.12, pp.37-51, 2009-02
被引用文献数
1

本論文は,最近10年間あまりにおける少年犯罪を特別支援教育の観点から研究したものである。豊川主婦殺害事件からスタートし,西鉄高速バス乗っ取り事件,長崎男児殺害事件,佐世保小6同級生殺害事件,寝屋川教師殺人事件,浅草レッサーパンダ殺人事件,等を取り上げ,これらの少年たちが,犯罪に至るまでにどのような学校教育を受けてきたのか,そして,規範意識が育たなかった,あるいは,規範意識が 弱過ぎたのは何故なのか等について考察した。その結果,学校が少年犯罪の『舞台』とならないようにするためには,『怨み』を聞く回路づくりができる教師の実践的指導力が不可欠であると同時に,特別支援教育の本格的な実施および性教育の効果的な実践が重要であることが判明した。