- 著者
-
山本 晴彦
岩谷 潔
- 出版者
- 日本作物学会
- 雑誌
- 日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
- 巻号頁・発行日
- vol.75, no.4, pp.535-541, 2006-10-05
- 参考文献数
- 29
- 被引用文献数
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2
九州・山口地方へは水稲の穂ばらみ期から収穫期にかけて5個の台風(15・16・18・21・23号)が接近・上陸した.これらの台風に伴う強風により,葉ずれによる葉身光合成能力の低下,倒伏等による草姿悪化,籾ずれによる登熟不良,脱粒,倒伏による穂発芽の発生などの複合的な要因により,減収や品質劣化の被害が発生した.作況指数は,福岡県南筑後(70),熊本県県北(74),山口県西部・佐賀県佐賀(76)となり,山口県,福岡県,熊本県では水稲玄米の品質が低下して1等米がわずか13〜15%となった.とくに,山口県では台風18号の通過時に周防灘からの強風,通過直後からの少雨の継続により海岸地域を中心に潮風害が発生し,著しい減収・低品質となった.