著者
丸山 敬 志村 正幸 長船 寿一
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第24回 風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.265-270, 2016 (Released:2017-03-18)

鋼球と鉄製のナット、および、砕石を用い、同じ質量をもち、形状や材質の異なる加撃体を衝突させた際のガラスの耐衝撃性能の変化を明らかにした。300mm× 300mmの正方形普通フロートガラスを標準試験体とし、その破壊開始衝突速度で加撃体の衝撃力を比較すると、同じ質量であれば、鋼球によって加撃した場合が衝撃力の大きな衝突が最も多く、ナットが最も少ないことが判った。砕石については、大きな衝撃力を伴う衝突も見られるが、形状が一様ではなく、飛翔中の姿勢や衝突の状況のばらつきも一番大きいことがわかった。鋼球と砕石を加撃体として枠付きガラス製パネルに衝突させ、パネルを構成するガラスの種類と衝突位置による耐衝撃性能の変化を調べた結果、ガラスが割れ始める加撃速度は化学強化合わせガラスが最も高く、強化合わせガラス、フロートと網入りの合わせガラスの順に小さくなった。また、鋼球の方が砕石よりも衝撃力が大きかった。測定に用いた高速ビデオカメラの映像は解像度が高くないので、加撃体側の衝突位置や角度を定量的に測定することはできなかったが、衝突時の姿勢の変化は判別することができた。その結果から、砕石の衝突においては回転せず、ガラスと砕石の角が衝突し、その角と砕石の重心を結ぶベクトルが速度ベクトルと一致するような衝突をした場合に、大きな衝撃力を発生させていることが推測された。
著者
丸山 敬介
出版者
京都
雑誌
同志社女子大学大学院文学研究科紀要 = Papers in Language, Literature, and Culture of the Graduate School of Doshisha Women's College of Liberal Arts (ISSN:18849296)
巻号頁・発行日
no.15, pp.25-61, 2015-03

巷間、「日本語教師は食べていけない」といわれることがあるが、この言説が生まれたのは90年代初頭である。それ以前にも非常勤で日本語を教える人たちを指して同じようなことがいわれることがあったが、関係者の間に限られ広く流布されていたわけではない。いわれるようになった理由は、不法滞在者を防ぐために法務省が入国審査を厳格化した結果、数多くの日本語学校の経営が悪化、倒産・閉校が相次ぎ方々で教師の労働条件悪化が起きたからである。 その後、震災・サリン事件、アジア通貨危機、「10万人計画」失敗などが重なり、90年代の後半にはこの言説が日本社会に定着したものと思われる。それには、バブル崩壊後の日本社会全般の閉塞感・ニューカマー対象のボランティア日本語指導の広がりも雰囲気として作用したものと考えられる。
著者
丸山 敬介
出版者
京都
雑誌
同志社女子大学大学院文学研究科紀要 = Papers in Language, Literature, and Culture of the Graduate School of Doshisha Women's College of Liberal Arts (ISSN:18849296)
巻号頁・発行日
no.16, pp.1-38, 2016-03

『月刊日本語』(アルク)全291冊を分析し、「日本語教師は食べていけない」言説の起こりと定着との関係を明らかにした。 創刊直後の88~89年、日本語学校の待遇が悪くてもそれは一部の悪質な学校の問題であって、それよりも日本語教師にはどのような資質が求められるかといった課題に興味・関心が行っていた。ところが、91年から92年にかけて待遇問題が多くの学校・教師に共通して見られる傾向として取り上げるようになり、それによって読者たちは「食べていけない」言説を形作ることになった。 90年代後半には、入学する者が激減する日本語学校氷河期が訪れ、それに伴って待遇の悪さを当然のこととする記事をたびたび掲載するようになった。「食べていけない」が活字として登場することもあり、言説はより強固になった。一方、このころからボランティア関係の特集・連載を数多く載せるようになり、読者には職業としない日本語を教える活動が強く印象付けられた。 00に入ってしばらくすると、「食べていけない」という表現が誌上から消えた。さらに10年に近くなるにしたがって、日本語を学びたい者が多様化し、教師不足をいく度か報じた。しかし、だからといって教師の待遇が目立って好転したわけではなく、不満を訴える教師は依然として多数を占めていた。そう考えると、言説はなくなったのではなく、むしろ広く浸透し一つの前提として読者には受け止められていたと考えられる。
著者
奥田 泰雄 林 泰一 横木 研 丸山 敬
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第18回風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.000038, 2005 (Released:2005-07-20)

When Typhoon Maemi passed over the Miyako Island, maximum instantaneous wind speed 74.1 m/s and minimum atmospheric pressure 912 hPa were observed at Miyakojima Local Meteorological Observatory on September 11, 2003. In connection with this high wind, the serious wind damage occurred on the Miyako Island since the 3rd Miyakojima Typhoon in 1968. We already reported on the meteorological situation and the high wind damage in Miyako Islands in some reports. As a result of investigating about the high wind of Typhoon Maemi using meteorological data, such as weather survey data in weather government offices and a weather radar echo charts, it turns out that the high wind were observed under the strong rain band on the west of the ring inside the double eye of the typhoon in this paper. We also classify the damage situation of buildings and structures and compare wind speed records observed at Miyakojima Local Meteorological Observatory with wind loads in Japan Building Code.
著者
西嶋 一欽 丸山 敬 林 泰一 高橋 徹 友清 衣利子 伊藤 耕介
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、台風に先回りして容易に設置可能な風圧計測デバイスを開発することで、台風通過時に建築物が密集した都市部に位置する低層建築物に作用する風圧を実測する。さらに、実測した建築物に対して、その周辺の遮蔽物の有無を段階的に変化させた風洞実験を実施し、実測値と比較することで、都市部に位置する低層建築物に作用する風圧特性を決定づける要因を類型化し、周辺環境の何をどこまで再現すれば十分な精度で風圧を評価できるかを明らかにする。得られた知見を用いれば、都市のどこに大きな風圧が作用し得るかを明らかにすることが可能になり、都市型強風災害リスク分析の高度化や耐風補強に関する意思決定に貢献できる。
著者
丸山 敬 河井 宏允 西村 宏昭 花谷 真由子
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会論文集 (ISSN:13493507)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.1-12, 2014-01-31 (Released:2014-03-20)
参考文献数
27
被引用文献数
1

Even though the importance of protecting windows from windborne debris under strong winds, there are still no available building codes or standards for their protection to building cladding in Japan. By contrast, some specifications for cladding performance under impact from windborne debris, including testing methods, exist in some foreign country and ISO standards. It is necessary to investigate the impact performance for roof tiles, representative windborne debris in Japan, in order to make domestic codes or standards. We made a new designed air cannon which can propel not only steel balls and a lumber but also a roof tile as missile. A series of impact tests based on ISO 16932 was conducted on laminated glasses by various missiles. This paper described the results of the impact performance and proposed standard missiles those include a lumber missile with equivalent destructive power to roof tiles.
著者
丸山 敬介
出版者
同志社女子大学
雑誌
総合文化研究所紀要 (ISSN:09100105)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.60-76, 2002

This paper examines the syllabi of basic JFL (Japanese as a Foreign Language) textbooks concerning the teaching order of grammatical items. For this purpose the use of 15 main grammatical items on the basic level was analyzed in 40 textbooks published between 1980 and 2000. The conclusion demonstrates the following 5 points : 1. The teaching order of grammatical items is divided into the first introductory stage, the second introductory stage, the development stage, and the final stage. 2. In the first introductory stage, the copula, basic verbs, and adjectives are taught. In the second introductory stage, particles and tense of verbs are taught. In the development stage, aspect and conditional expressions are taught. In the final stage, voice expressions and polite verbs are taught. 3. It takes about 30 class hours to finish the first introductory stage and 220 class hours to reach the final stage. 4. Some items from the development and final stages are taught in the introductory stage in order to help students to cope with conversations in offices and shops. 5. The items in 4. are : a. expressions that are frequently used in daily life; b. expressions that have basic functions such as introducing, requesting and asking advice ; c. expressions that have too much information to complete in a single lesson.
著者
西村 宏昭 高森 浩治 丸山 敬
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会論文集 (ISSN:13493507)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.95-102, 2009-10-01 (Released:2010-01-29)
参考文献数
4

A sudden severe storm destroyed a large tent structure connected to some concrete weight cubes, at near coast in Tsuruga City, Fukui Prefecture. High wind accompanied with the gust-front in the storm killed a man and injured nine persons. While the tent structure had an opening faced to sea, it was covered on remained walls with canvas. In this situation, when wind attacked from the open face, the tent would be easily lifted up, even though some weights might fairly resist to the lift caused by wind. This study describes the observation of damage to the tent structure and wind tunnel test results, which was carried out to quantify the wind load when the tent will be blown off in various situations of wall coverings.
著者
山本 晴彦 丸山 敬 岩谷 潔 鈴木 賢士 早川 誠而
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.453-463, 2001-02-28
参考文献数
15
被引用文献数
5

Typhoon 9918 (Bart) passed through the Kyushu and the western part of Chugoku district on September 24,1999. As the typhoon passed, a tornado occurred in Onoda City of Yamaguchi Prefecture. The recorded peak gust speed was 52.0 m/s at the Onoda fire station, 150 m away from the path of the tornado. The air pressure had decreased by 3.6 hPa at 7 : 59,while the minimum value was recorded as 961.6 hPa. The width of the tornado's path estimated from damags of houses was 50-150 m and its length was 5.1 km. The number of seriously injured persons was 13,and the number of houses damaged was about 650. Fujita and Piason scales were estimated to be F2 and P2 (length : 1.6-5.1 km, width : 51-160 m), respectively.
著者
斎藤 祐見子 Wang Zhiwei 丸山 敬
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.127, no.3, pp.190-195, 2006-03-01

オーファンGタンパク質受容体(GPCR)のリガンド探索は新規生理活性物質の発見と新規創薬標的に直結すると考えられている.あるオーファンGPCRのリガンドが既知物質と判明した場合でも研究が飛躍的に進展する.受容体同定により,そのリガンドの既知あるいは未知の生理作用の薬理学的解明が進み,創薬開発を開始することができる.メラニン凝集ホルモン(MCH)とその受容体はそのケースかもしれない.MCHノックアウト(KO)マウスは「ヤセ」であるため,摂食中枢の下流に位置する分子として大きな注目を集めた.1999年にオーファンGPCRの利用によりMCHの受容体が同定され,そのアンタゴニスト開発・KOマウス行動解析が一気に進む.驚いたことにMCHアンタゴニストは摂食行動は勿論「うつ状態」動物モデルに対しても効果を持つことが報告された.オーファンGPCRのリガンドとして発見された他の神経ペプチドも今後の精神病治療にとって有用な標的候補となる可能性がある.<br>
著者
石川 裕彦 竹見 哲也 中北 英一 丸山 敬 安田 誠宏
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

IPCC5に向けた温暖化研究では、従来からの気象学的気候学的知見に加え、極端現象など災害に直結する影響評価が求められている。本研究ではIPCC4で実施された温暖化予測計算のデータアーカイブに基づいて、疑似温暖化実験による力学ダウンスケーリングを行い、台風などの極丹下現象による災害評価を行った。台風に関しては「可能最悪ケース」の概念を導入し、ある事例に関して経路が少しずつ異なる事例を多数計算し、その中から最大被害をもたらす事例を抽出する手法を開発した。これらの事例について、河川流出計算、高潮計算、強風被害の見積もり等を実施して、被害発生情報を作成した。
著者
丸山 敬
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

竜巻内の気流性状、および、建物に加わる空力特性を明らかにすることを目的に、竜巻状の回転流を作りだす数値トルネードシミュレーターを開発した。これにより、いくつかの形態を持った竜巻状の回転流を作り出し、渦内の気流性状を明らかにし、また、建物周りの気流・風圧性状を検討した。さらに、竜巻時の建物被害の主な原因である飛来物の飛散特性を明らかにするために、渦内に放出された物体の飛散運動を追跡する方法の検討も行った。