- 著者
-
若原 妙子
石川 芳治
服部 恭也
森山 希美
臼井 里佳
岩﨑 紀子
船木 健
- 出版者
- 日本森林学会
- 雑誌
- 日本森林学会大会発表データベース
- 巻号頁・発行日
- vol.128, 2017
<p>降雨量は自然環境を評価するための基本データであり、水資源量の把握や土砂災害予測の指標として欠かせない。地上で直接降雨を観測する雨量計は、無風で上空が開けた平地に設置することが理想とされる。しかし実際の雨量観測値には、地形や風、雨量計の受雨面積など様々な影響が加味されている。本研究では東京都大島町(伊豆大島)の草地斜面に通常の転倒マス型雨量計、受雨面積が転倒マス型雨量計の約40倍である雨量検定装置および風向風速計を設置し、降雨、風および受雨面積が降雨捕捉に与える影響を調査した。その結果、降雨イベント毎の雨量は、雨量検定装置のほうが雨量計より約6-8割多かった。降雨量15-80mmの中程度の降雨イベントでは、風速が強まると雨量計の降雨捕捉率は低下した。平均風速5m以上では、雨量計の降雨捕捉率は約5割まで低下した。また、大きな降雨イベントで雨量捕捉率は低下した。強雨・強風下で計測された雨量には捕捉損失が多く含まれると考えた。降雨と風速は関係するため、今後は短い時間分解能で捕捉率を解析するとともに、斜面向きと風向の影響を解析する。</p>