著者
岸野 元彰 古谷 研 田口 哲 平譯 享 鈴木 光次 田中 昭彦
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.10, no.6, pp.537-559, 2001-11-01 (Released:2008-04-14)
参考文献数
28
被引用文献数
1

海水の光吸収係数は, 海洋の基礎生産や海色リモートセンシングの研究において重要なパラメータの1つである。今まで, その測定法について多くの提案がなされてきた。本稿は, まず吸収係数の定義を明確に定義し, その海洋学における意義を述べた。引き続き, オパールグラス法, グラスファイバー法, 光音響法, 積分球法の原理を述べると共に問題点を挙げた。また, 採水処理しなくて済む現場法についてその原理と問題点をまとめた。引き続き吸収係数の組成分離法について直接分離法と実測値から求めた半理論的分離法を紹介した。最後に人工衛星によるリモートセンシングによる推定法に言及した。
著者
石坂 丞一 田島 清史 岸野 元彰 Joji Ishizaka Kiyofumi Tashima Motoaki Kishino 長崎大学水産学部 長崎大学大学院生産科学研究科 理化学研究所 Faculty of Fisheries Nagasaki University Department of Science and Technology Nagasaki University The Institute of Physical and Chemical Research
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 = Umi no Kenkyu (Oceanography in Japan) (ISSN:21863105)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.235-241, 2002-03-05
参考文献数
18
被引用文献数
2

典型的内湾である大村湾で,衛星海色データおよびその水中アルゴリズムが適応できるかどうかの検証を行った。OCTSバージョン4およびSeaWiFSバージョン2は,いずれも大村湾のクロロフィルa濃度を約10倍程度過大評価した。水中分光放射計のデータから計算した海表面射出輝度にSeaWiFS OC2水中アルゴリズムを適応して推定したクロロフィルa濃度は,現場クロロフィルa濃度が3μgl^<-1>以下で過大評価,3μgl^<-1>以上で過小評価した。その誤差は衛星データと比較すると小さかったことから,大気補正にも問題があることが明らかとなった。大村湾の海面射出輝度スペクトルは,外洋域のスペクトルと比較すると,短波長側で小さく,有色溶存有機物の存在によって,外洋用の水中アルゴリズムが適応できなくなることを示唆した。また,長波長側の輝度は大きく,これまでの大気補正での仮定が成り立たないことを示した.沿岸域で利用の可能な海色アルゴリズムを早急に開発する必要がある。Satellite ocean color remote sensing data and an in-water algorithm for the data were verified in a typical semi-closed bay, Omura, Bay. Chlorophyll a data of OCTS version 4 and SeaWiFS version 2 overestimated chlorophyll a concentrations from the middle part of Omura Bay by about a factor of ten. Chlorophyll a concentrations were estimated by SeaWiFS OC2 algorithm with water leaving radiances calculated from underwater spectral radiometer data. The optically derived concentrations were overestimated for concentration of below 3μgl^<-1> and underestimated for above the value. The smaller error of optically derived concentration compared with satellite data was indicating that the atmospheric correction algorithm was also a problem. Water leaving radiance at the shorter wavelength for Omura Bay was lower than the value for the outer ocean, indicating that the colored dissolved organic materials affect the in-water algorithm. The higher value at the longer wavelength conflicted with the assumption of the present atmospheric correction algorithm. It is required to develop specific ocean color algorithms for coastal waters.
著者
岸野 元彰 古谷 研 田口 哲 平譯 享 鈴木 光次 田中 昭彦
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.10, no.6, pp.537-559, 2001-11-01

海水の光吸収係数は, 海洋の基礎生産や海色リモートセンシングの研究において重要なパラメータの1つである。今まで, その測定法について多くの提案がなされてきた。本稿は, まず吸収係数の定義を明確に定義し, その海洋学における意義を述べた。引き続き, オパールグラス法, グラスファイバー法, 光音響法, 積分球法の原理を述べると共に問題点を挙げた。また, 採水処理しなくて済む現場法についてその原理と問題点をまとめた。引き続き吸収係数の組成分離法について直接分離法と実測値から求めた半理論的分離法を紹介した。最後に人工衛星によるリモートセンシングによる推定法に言及した。