- 著者
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肥後 温子
島崎 通夫
- 出版者
- The Japan Society of Home Economics
- 雑誌
- 家政学雑誌 (ISSN:04499069)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.11, pp.597-605, 1982-11-20 (Released:2010-03-10)
- 参考文献数
- 11
- 被引用文献数
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1
サツマイモ, サトイモ, ジャガイモ, ナガイモをマイクロ波と伝熱とで加熱し, でんぷん成分の変化と硬化との関係について調べると, 次のようになった.1) サツマイモとサトイモはマイクロ波加熱によって硬化現象がみられ, ジャガイモとナガイモは硬化しなかった.2) 糖化によってでんぷん含量が少なくなったサッマイモは, 硬化しにくくなった.3) 硬化したイモの組織では未膨潤なでんぷん粒とでんぷんのゲル状溶出物の存在がみられた.4) サツマイモとサトイモのでんぷん粒はマイクロ波加熱によって破裂するために溶出物が増え, ジャガイモとナガイモのでんぷん粒は破裂に至らないことが, モデル系で確認できた.以上の結果は, イモ類の硬化現象にでんぷん成分の果たす役割の大きいことを示すものと考える.