著者
島田 哲夫 多田 幸生
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.302-310, 1989-03-15
被引用文献数
3 3

三次元グラフィックスシステムを用いた設計やロボット動作のオフライン教示において 操作性の良い入力方式が必要となる.現在 CADやロボットシミュレータを用いて 設計工程や作業工程の自動化が求められているが 対象が自由曲面である場合 コマンドメニュや言語の組合せによって 曲面モデルの形状処理を行うことは非常に困難である.位置情報を入力する装置としてロケータがあり 従来より 三次元座標の入力に三次元ロケータを用いる手法が提案されているが 曲面形状上をなぞるなどの処理自体がむずかしく 操作性に問題があるという指摘がされている.そこで 作業対象である曲面上を確認しながら しかも曲面から離れた任意の場所に基準点の位置指定ができ 操作性の良い三次元の入力が必要となる.本論文では 対象である自由曲面モデルの展開形状を基準平面とし それぞれの点において 法線方向に可変のオフセット成分を付加した三次元領域を定義域にもつ入力システムを提案する.そして 航空機に用いられているハニカムサンドイッチなどの複合材やタクト・鋼管などの金属溶接部分の欠陥を見出すための超音波探傷用ロボットシミュレータを対象とし 本手法を適用した例をあげる.