著者
島田 眞路
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学会年会要旨集 第96回日本薬理学会年会 (ISSN:24354953)
巻号頁・発行日
pp.2-B-SL09, 2022 (Released:2022-12-26)

わが国の科学技術力の衰退、低迷が止まらない。先日、世界各国のTop10%論文数が公表されたが、日本は長期低迷傾向にあり、今年は2カ国に抜かれ、10位から12位となってしまった。何とヨーロッパ諸国の中で後塵を拝してきたスペインとアジアの隣国韓国に抜かれたのである。その原因は、国の科学技術研究費を抑制してきた財務省/文科省にある。国立大学法人化をきっかけに、国立大学運営費交付金を2004年から毎年1%減らし続け、現在では10%以上減額となっている。厚労省も基礎医学研究に対してバッシングを行い続け、卒後臨床研修制度=大学否定、日本専門医機構=学会否定を行ってきた。このアカデミズム否定は、かつての文化大革命を想起させる暴挙である。これらの政策のおかげで日本の研究力は顕著に低下した。そのよい例が今般の新型コロナウイルス感染症対応で露わになった。ワクチン、治療薬ともその開発は、欧米に大きく遅れをとってしまった。これらの科学技術研究を中心とするアカデミズム抑制政策を即刻転換しなければ、日本の科学技術力は本当に地に堕ちる可能性があり、深く憂慮している。
著者
原田 和俊 山口 美由紀 島田 眞路
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.123, no.11, pp.2069-2076, 2013-10-20 (Released:2014-10-30)

陥入爪とは爪甲が側爪郭を損傷し,炎症を引き起こした状態である.巻き爪とは遺伝的素因,生活環境などにより,爪甲が過度に彎曲した状態である.陥入爪の治療にはポリ塩化ビニル製チューブで陥入した爪甲を覆う方法や,アクリル樹脂を用いて側爪郭への陥入を除去する治療法などがある.疼痛を伴う巻き爪は,弾性ワイヤーなどを用いて過度の彎曲を矯正することが有効である.陥入爪と巻き爪の対応には,正確な診断を行い,各々の病態を理解し,正しい治療法を選択することが必要である.
著者
塚本 克彦 柴垣 直孝 齋藤 敦 長田 厚 北村 玲子 今井 佳代子 樋泉 和子 島田 眞路
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.515-519, 1999-08-01 (Released:2010-10-14)
参考文献数
13
被引用文献数
4 5

ユーカリエキスを配合した入浴剤のアトピー性皮膚炎に対する有用性を検討するために, セラミド誘導体などの油性保湿剤を配合した入浴剤を対照とし, これにユーカリエキスを配合した入浴剤を用いて臨床試験を行った。対象はアトピー性皮膚炎患者31例(ユーカリエキス配合入浴剤使用群15例, 対照入浴剤使用群16例)で, 入浴剤を4週間使用してもらい, 2週間毎に診察した。その結果, 1. 皮膚所見に関しては, 「そう痒」, 「紅斑」, 「落屑」において両群とも有意な改善が認められたが, 両群間に有意差は認めなかった。2. 「全般改善度」, 「有用性」に関しては, ユーカリエキス配合入浴剤使用群の方が対照入浴剤使用群に比し優れた傾向が認められた。特に, 入浴剤を20回以上使用した患者においては, 「有用性」に関して, ユーカリエキス配合入浴剤使用群(13例)の方が対照入浴剤使用群(12例)に比し有意に優れていた。以上の結果より, ユーカリエキスを配合した入浴剤の使用は, アトピー性皮膚炎の治療において一つの有用な補助療法となる可能性が示唆された。
著者
柴垣 直孝 猪爪 隆史 安藤 典子 北村 玲子 水谷 三記子 長阪 晶子 清水 顕 島田 眞路
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.152-159, 2005 (Released:2005-10-25)
参考文献数
22
被引用文献数
4 3

ジアミド誘導体を配合した入浴剤のアトピー性皮膚炎患者に対する有用性を検討するために,合成擬似セラミドなどの油性保湿成分とユーカリエキスおよびオーツ麦エキスを配合した入浴剤を対照処方とし,この対照入浴剤処方にジアミド誘導体を配合した入浴剤処方を用いて二重盲検法による入浴での使用試験を行った。対象はアトピー性皮膚炎患者21例(ジアミド誘導体配合入浴剤使用群13例,対照入浴剤使用群8例)で,入浴剤を3~6週間使用させ,身体部位の乾燥症状や痒みに対する効果を検討した。その結果,1.対照入浴剤使用群では「乾燥」および「落屑」において有意な改善効果が認められたのに対し,ジアミド誘導体配合入浴剤使用群では「乾燥」,「落屑」に加え,「そう痒・そう破痕」および「角層水分量」において有意な改善効果が認められた。2.特に高頻度(毎週4回以上)の使用患者では,ジアミド誘導体配合入浴剤使用群(7例)において「入浴中のかゆみスコア」の改善傾向と「入浴後のかゆみスコア」の有意な改善が認められたのに対し,対照入浴剤使用群(7例)においてはいずれも有意な改善を認めなかった。また,「入浴後のかゆみスコア」の改善を示す症例数は,ジアミド誘導体配合入浴剤使用群の方が対照入浴剤使用群と比較し,有意に多かった。以上の結果より,ジアミド誘導体を配合した入浴剤の使用は,アトピー性皮膚炎の治療において一つの有用な補助療法となる可能性が示唆された。