著者
伊藤 博之 清水 顕
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.91-94, 2014 (Released:2014-08-07)
参考文献数
12

da Vinciサージカルシステムによるロボット支援下甲状腺手術は,機器の持つ極めて高い利便性,安定性により内視鏡下甲状腺手術を応用発展させた術式である。内視鏡手術の欠点を克服し,安全性が高く確実な方法である。前頸部に創部を作らず腋窩から手術を行うため,術後の整容面で優位性がある。ロボット支援下手術の概要と利点,問題点を概説する。
著者
柴垣 直孝 猪爪 隆史 安藤 典子 北村 玲子 水谷 三記子 長阪 晶子 清水 顕 島田 眞路
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.152-159, 2005 (Released:2005-10-25)
参考文献数
22
被引用文献数
4 3

ジアミド誘導体を配合した入浴剤のアトピー性皮膚炎患者に対する有用性を検討するために,合成擬似セラミドなどの油性保湿成分とユーカリエキスおよびオーツ麦エキスを配合した入浴剤を対照処方とし,この対照入浴剤処方にジアミド誘導体を配合した入浴剤処方を用いて二重盲検法による入浴での使用試験を行った。対象はアトピー性皮膚炎患者21例(ジアミド誘導体配合入浴剤使用群13例,対照入浴剤使用群8例)で,入浴剤を3~6週間使用させ,身体部位の乾燥症状や痒みに対する効果を検討した。その結果,1.対照入浴剤使用群では「乾燥」および「落屑」において有意な改善効果が認められたのに対し,ジアミド誘導体配合入浴剤使用群では「乾燥」,「落屑」に加え,「そう痒・そう破痕」および「角層水分量」において有意な改善効果が認められた。2.特に高頻度(毎週4回以上)の使用患者では,ジアミド誘導体配合入浴剤使用群(7例)において「入浴中のかゆみスコア」の改善傾向と「入浴後のかゆみスコア」の有意な改善が認められたのに対し,対照入浴剤使用群(7例)においてはいずれも有意な改善を認めなかった。また,「入浴後のかゆみスコア」の改善を示す症例数は,ジアミド誘導体配合入浴剤使用群の方が対照入浴剤使用群と比較し,有意に多かった。以上の結果より,ジアミド誘導体を配合した入浴剤の使用は,アトピー性皮膚炎の治療において一つの有用な補助療法となる可能性が示唆された。
著者
岡本 伊作 塚原 清彰 佐藤 宏樹 本橋 玲 近藤 貴仁 岡田 拓朗 清水 顕
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.223-229, 2017-10-30 (Released:2017-11-22)
参考文献数
8
被引用文献数
3

頭頸部癌に対する手術の中で,最も重要な術式の一つに頸部郭清術があげられる。では,どのようにこの頸部郭清術を中心とした頭頸部癌に対する手術手技を,安全かつ効率よくトレーニングしていけばよいのかに関しては明確な指標はなく,施設によって異なっている。われわれの施設では,ドライラボで十分にトレーニングを行った初期・後期研修医,若手医師を対象に,cadaverやアニマルラボを用いた手術トレーニングを行っている。しかし,頭頸部領域でアニマルラボトレーニングを行っている報告はない。今回は,過去に施行したアニマルラボトレーニングにおいて,トレーニングの前と後で参加者による自己習熟度評価と,指導医による習熟度評価について検証した。それにより,頭頸部領域におけるアニマルラボトレーニングの有効性を検討した。アニマルラボとレーニングは手技の向上に関して有意に有効な結果であった。技術の向上は医療安全の観点からも非常に有用となると推察された。