- 著者
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相良 友哉
戸川 和成
田川 寛之
崔 宰栄
辻中 豊
- 出版者
- 大妻女子大学人間生活文化研究所
- 雑誌
- 人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
- 巻号頁・発行日
- vol.2021, no.31, pp.614-622, 2021-01-01 (Released:2021-12-15)
- 参考文献数
- 36
ますます長寿化が進む現代の日本においては,健康長寿を目指し,高齢期においても積極的に社会参加することが重要である.既に,高齢者の地域活動に関する研究は多数見られるが,活動への参加行動に着目されることが多く,活動内容や頻度,地域内の人的ネットワークについての検討は少なく,また,地域も限定的である.そこで,本研究では,全国13都市の住民に対して実施したWebアンケートの結果をもとに,どのような属性を持った高齢者が活発に地域活動をしたり,地域の役職者と交流しているか検討した.その結果,他者との交流や地域活動の多くにおいて,住民の性別による違いが顕著であった.女性は日常的な人付き合いが多いが,男性は地域の役職者との交流や役割・目的が明確な地域活動への参加者が多い.居住年数や就業状態,教育状況では,性別ほどの顕著な参加状況の差は見られなかった.人生100年時代とも言われる昨今の日本において,より効果的に高齢者の地域活動,ひいては社会参加を促進させていくためには,こうした性別による違いを踏まえる必要がある.