著者
川上 亘作
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.402-406, 2016 (Released:2016-05-01)
参考文献数
23

経口製剤の溶解性問題を克服する製剤技術として、可溶化製剤、非晶質固体分散体、ナノ結晶製剤が代表的であるが、これら各々には一長一短がある。固体分散体は製造に特殊技術が必要となることに加え、物理的安定性に関する理解が十分とは言えない。しかし通常製剤と同様のカプセル化、錠剤化が可能であるため、患者視点においては製剤が大きくなりがちな可溶化製剤より利便性に優れることが多い。本稿では製剤化手段としての非晶質の特徴について解説する。