著者
宇都宮 聡 岩田 孟 川元 侑治 金子 誠 仲松 有紀 大貫 敏彦 難波 謙二
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2012年度日本地球化学会第59回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.37, 2012 (Released:2012-09-01)

本研究では、環境中に放出された長崎型原子爆弾由来Puの化学状態、サイズ依存性を調べ、Puの環境中における化学種変化を分析した結果、約60 %のPuが有機物と結合した状態で、約30 %がPu酸化物様の難溶解性核種として存在することが示された。長崎西山地区表層環境下においてPu移行は起こりにくいことが分かり、環境中に存在する有機物がPu化学種に重大な影響を及ぼすことが示唆された。さらに、福島における土壌中Puの定量、分布を調査した福島第一原発から3 kmの地点におけるPuの放射能濃度と同位体放射能比は、238Pu=0.034~0.209 Bq/kg、239+240Pu=0,08~0.11 Bq /kg、238Pu / 239+240Pu=0.319~2.60であった。