- 著者
-
大森 毅
川原 一芳
- 出版者
- 科学警察研究所
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2011
化学テロ現場において、原因物質のみを特異的に除染できる方法の開発を目指して、有機リン系化合物分解酵素であるorganophosphorus hydrolase(OPH) の遺伝子に変異を導入し、サリンやVX等を効率的に分解する酵素の開発に取り組んだ。136Leu、254Tyrおよび257Hisの3箇所のアミノ酸を置換した5種類の変異酵素を作成し、有機リン系化合物分解反応を調べた結果、Tyr254Hisの変異を導入した酵素が最も高い分解能力を示した。さらにこの酵素を担体に固定して作成したバイオリアクターは活性を維持し化学剤を分解したことから、酵素によるテロ現場除染技術への発展が可能と考えられた。