著者
川又 達朗 片山 容一
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.9, pp.666-673, 2009-09-20 (Released:2017-06-02)
参考文献数
23
被引用文献数
1

スポーツ医学の分野では,脳振盪が注目されており,予防を中心にさまざまな研究が行われている.軽症の頭部外傷である脳振盪の予防が強調されるのはなぜであろうか.スポーツによる脳振盪の特徴は,繰り返して起こしやすいこと,軽症であるがゆえに診断,重症度の評価と競技への復帰時期の判断が難しいことである.繰り返す脳振盪は,頭部外傷後脳症や脳振盪後症候群などを引き起こす.尚早な復帰はセカンドインパクト症候群や急性硬膜下血腫など,重篤な頭部外傷の発生につながる可能性がある.脳振盪を起こしやすいスポーツ環境は,急性硬膜下血腫による死亡率が高いことも報告されている.スポーツ頭部外傷,特に脳振盪について現状の考え方をまとめる.
著者
川又 達朗 刈部 博 土肥 謙二 苗代 弘 平林 秀裕 村上 成之
出版者
一般社団法人 日本脳神経外傷学会
雑誌
神経外傷 (ISSN:24343900)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.21-29, 2007-12-27 (Released:2022-06-27)
参考文献数
24
被引用文献数
1

In order to clarify clinical characteristics of "traumatic" intracranial hypotension (TIH) treated in Japan, 100 Japanese articles were reviewed and compared to 201 foreign articles. The results revealed the features of TIH in Japan as follows; 1) prolific numbers of the reported cases (227 cases) (foreign cases; 15 cases), 2) high incidence (69%) of traffic accident as a cause of injury (foreign cases; 20%), 3) long periods from injury to diagnosis; more than 1 year in many cases, 4) CSF leakage from lumber regions in vast majority cases (foreign cases: cervicothoracic regions; 91%), 5) fewer cases (55%) showing postural headache (foreign cases; 86%), 6) fewer cases (49%) showing dural enhancement on Gd-MRI (foreign cases; 93%), 7) fewer cases treated conservatively (foreign cases; 71%), 8) high numbers of blood patch procedure per patient, 9) lower cure rate (22%) by blood patch procedure (foreign cases; 100%). These results suggest that the clinical entity of TIH treated in Japan differs from that treated in foreign countries.
著者
川又 達朗 片山 容一
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.9, pp.666-673, 2009-09-20
被引用文献数
4

スポーツ医学の分野では,脳振盪が注目されており,予防を中心にさまざまな研究が行われている.軽症の頭部外傷である脳振盪の予防が強調されるのはなぜであろうか.スポーツによる脳振盪の特徴は,繰り返して起こしやすいこと,軽症であるがゆえに診断,重症度の評価と競技への復帰時期の判断が難しいことである.繰り返す脳振盪は,頭部外傷後脳症や脳振盪後症候群などを引き起こす.尚早な復帰はセカンドインパクト症候群や急性硬膜下血腫など,重篤な頭部外傷の発生につながる可能性がある.脳振盪を起こしやすいスポーツ環境は,急性硬膜下血腫による死亡率が高いことも報告されている.スポーツ頭部外傷,特に脳振盪について現状の考え方をまとめる.