著者
一條 裕之 中村 友也 竹内 勇一 川口 将史
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.343-351, 2016-12-25 (Released:2017-08-10)
参考文献数
14
被引用文献数
3

本研究は肉眼解剖学実習を活用して, 能動的学修 (active learning: AL) を行うことができることを示す. 実習の全ての内容を問題探求の題材としたAL (解剖学セミナー) を実習後に行った. 解剖学セミナーは講義, グループ討議, リソースアワーと発表会から構成されている. 学生の75.1%が解剖学実習を活用したALを「非常に学修を進めやすい」または「学修を進めやすい」と評価し, 実習を活用したALが有用であることを示した. 解剖学実習を活用したALは解剖学教育を補うばかりでなく, 他の基礎医学科目や臓器別の臨床医学教育科目に向けた導入となり, 水平型および垂直型の統合教育の機会を提供する.
著者
川口 将史
出版者
富山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

生殖的隔離は種分化を引き起こす重要な素過程の一つであるが、その成立メカニズムは明らかになっていない。生殖的隔離の神経基盤を解明するため、ヨシノボリの雄が同種の雌に求愛、あるいは別種の雌を排他する際に活動する脳領域を、最初期遺伝子c-fosの発現パターンを指標に同定した。その結果、視覚情報の処理過程や全身性の反応を制御する下垂体・視床下部の活動に違いが見られた。このことから、ヨシノボリの雄は雌を視覚刺激で識別しており、視覚情報の一次入力領域である視蓋が行動選択における判断の中枢として働くことが考えられる。