著者
児玉 佳一 笹屋 孝允 川島 哲
出版者
日本教師学学会
雑誌
教師学研究 (ISSN:13497391)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.1-11, 2016 (Released:2017-02-28)
参考文献数
22

本研究は,都内公立小学校5年生1学級を対象に,教師と児童の“授業ルール”認識におけるズレの特徴について,「重要度」「優先度」「目的」の3点から検討した。「重要度」については授業ルールの重要度認識を測定する尺度,「優先度」については授業ルールが葛藤する場面を記述した場面想定課題,および「目的」については授業ルールの目的を尋ねる自由記述課題をそれぞれ実施した。その結果,「重要度」では,教師および児童とも授業ルールの重要度を高く認識していることが示された。一方で「優先度」および「目的」では,主に“友人を尊重するためのルール”と“秩序を維持するためのルール”においてズレが示された。これらの結果から,教師と児童の授業ルールの認識におけるズレは,児童が授業ルールを重要と認識していないために起きるのではなく,両者の優先する授業ルールや授業ルールの目的の理解が異なっているために起きることが示唆された。
著者
川島 哲哉 杉本 俊彦 小川 俊夫
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.49, no.11, pp.835-841, 2000-11-05
参考文献数
21
被引用文献数
1 2

高温高湿環境下でニトリルゴム(NBR)/エポキシ樹脂系接着剤の加速寿命試験を行い, 接着剤の劣化について検討した. その結果, 接着剤のガラス転移温度(T_g)の低下や透過型電子顕微鏡(TEM)観察下におけるNBRへのオスミウム酸の染色能の低下が認められ, 接着剤の劣化はミクロ相分離構造を形成しているNBRの劣化に起因することが判明した. NBRの劣化としては主に酸化反応による炭素-炭素二重結合部の切断であるが, そのほかにニトリル基やNBR中に変性されたアクリル酸とエポキシ基との反応でできたエステル基の減少も確認された. また, NBR中の酸化防止剤が接着剤の硬化を目的とする加熱処理過程で気化してしまうことにより, この劣化は更に加速されていることが分かった.