- 著者
 
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             児玉 佳一
             
             笹屋 孝允
             
             川島 哲
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 日本教師学学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 教師学研究 (ISSN:13497391)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.18, pp.1-11, 2016 (Released:2017-02-28)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 22
 
          
          
        
        
        
        本研究は,都内公立小学校5年生1学級を対象に,教師と児童の“授業ルール”認識におけるズレの特徴について,「重要度」「優先度」「目的」の3点から検討した。「重要度」については授業ルールの重要度認識を測定する尺度,「優先度」については授業ルールが葛藤する場面を記述した場面想定課題,および「目的」については授業ルールの目的を尋ねる自由記述課題をそれぞれ実施した。その結果,「重要度」では,教師および児童とも授業ルールの重要度を高く認識していることが示された。一方で「優先度」および「目的」では,主に“友人を尊重するためのルール”と“秩序を維持するためのルール”においてズレが示された。これらの結果から,教師と児童の授業ルールの認識におけるズレは,児童が授業ルールを重要と認識していないために起きるのではなく,両者の優先する授業ルールや授業ルールの目的の理解が異なっているために起きることが示唆された。