著者
根岸 哲 武田 邦宣 中川 寛子 善如 悠介 島並 良 鞠山 尚子 池田 千鶴 泉水 文雄 和久井 理子 川濱 昇 柳川 隆 水野 倫理 中村 健太 川島 富士雄 前田 健 井畑 陽平 手嶋 豊
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

1 海外調査(i)和久井・池田が、欧州諸国において、競争・情報通信当局及び競争法の研究者との間で、特にプラットフォームと競争法の関係につき、相互の意見交換と実務と研究動向の調査を行い、(ii)川島が、北京社会科学院・上海交通大学での長期研究により、科研に係る全般的な論点に係わり、中国独禁法の研究者との相互の意見交換と中国独禁法の対応状況の調査研究を行った。2 研究会、ワークショップ等(i)医薬品・機器規制の競争に及ぼす影響及び先発医薬品・後発医薬品間の競争に係る問題を解明するべく、外資系医薬品企業の2人の法務部長弁護士とのヒアリング・研究会及びSokol米国フロリダ大学教授との研究会を通じ、日米における現状と課題を把握し、(ii)競争法と知的財産権の関係を検討するべく、仁ラボ代表鶴原稔也氏との研究会及びCheng香港大学准教授との研究会「特許・イノベーションと競争法」・「不争条項」を通じ、現状と課題の把握し、(iii)日中米欧の研究者・実務家が参加した国際ワークショップ「企業結合規制の先端的問題-プラットフォーム・ビジネスとイノベーション時代の諸課題」を開催し、企業結合規制の先端的問題の把握に努め、(iv)世界的プラットフォーム事業者アマゾンの最恵国待遇条項の競争上の問題につき、アマゾン側担当の平山賢太郎弁護士との研究会を通じて、研究を深めた。3 シンポジウム(i)日本の研究者・実務家によるシンポジウム「景品表示法の実現手段の多様性-独禁法の視点も含めて」、(ii)日中米欧の研究者・実務家が参加した公正取引委員会競争政策研究センター主催の大阪国際シンポジウム「デジタル・エコノミーの進展と競争政策-IoT、データ、プラットフォーム・ビジネスと法-」に本科研チームが共催者として参加し、国際的な動向把握とともに日本の状況につき発信を行った。
著者
川島 富士雄
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、世界貿易機関(WTO)に加盟した東アジア諸国、特に中国、カンボジア及びベトナムにおけるWTO上の義務・約束の履行状況(市場開放)と市場経済化・競争促進に向けた国内法整備状況(市場経済化)の双方を同時並行的に検討し、両者の相克・連動といった相互作用を明らかにすることで、グローバル経済時代における「市場」をめぐる国内法及び国際法的諸問題の相互関係を解明することを目的とするものである。3ヵ国のうちカンボジアとベトナムにおける競争法は未制定又は運用が活発でないため研究の主な対象となり得なかったが、2008年8月より施行された中国独占禁止法の運用状況(民事訴訟を含む。)及びその課題をつぶさに把握し、かつ、表面的に現れてくる法執行現象の背景を明らかにすることに成功したほか、これらを国際経済法上の法現象を合わせて研究することで、「国家資本主義」又は「国家積極主義」とも批判的に描写される中国の政府と市場の関係、とりわけ国有企業等に対する優遇策に対する法的規律という今後の研究において重要となる視点を抽出することに成功した。本研究の具体的な成果として、8本の論文、6回の学会発表及び2冊の共著がある。