著者
渡辺 明治 川崎 康弘
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.317-332, 2003-07-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
94
被引用文献数
1
著者
鈴木 道雄 川崎 康弘 住吉 太幹 中村 主計 倉知 正佳
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

拡散テンソル画像による検討の結果、統合失調症患者では、前頭葉と視床、側頭葉とを連絡する白質線維束の統合が障害されており、その一部が陰性症状の成立に関与することが示唆された。自己と他者の評価課題による機能的磁気共鳴画像(fMRI)により、前頭前野、大脳正中構造、後頭頂小葉などの機能変化が、統合失調症における自己意識の障害に関連することが示唆された。病初期の患者を対象とした構造的MRIにより、前部帯状回の構造変化が統合失調症の顕在発症に関与することが示唆された。
著者
住吉 太幹 松井 三枝 川崎 康弘 田仲 耕大 倉知 正佳
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

非定型抗精神病薬(AAPD)の統合失調症患者における認知機能各領域に対する効果の検討を行った。結果として、olanzapine(OLZ)あるいはperospirone単剤投与による治療を行った患者群では、注意機能やQOLを表す諸指標が改善した。5-HT_<1A>受容体への作用を示すziprasidone(AAPD)ならびにOLZの統合失調症患者における記憶の体制化に対する効果を検討した。方法として、語流暢性課題のひとつであるカテゴリー流暢性課題より得られる動物名から、多次元尺度法(Multidimensional Scaling, MDS)法により、長期意味記憶の体制化の度合いをcognitive mapへ変換することにより可視化し、各薬物による治療への切替えによる変化を検討した。結果として、各薬物による治療前には、MDS法による動物名の産出される順番に意味的なまとまりは認められなかった。一方、治療6週間後には、「野生性vs.家畜性」という意味的なまとまりが出現し、対象とした患者のQOLが有意に改善されることが見出された。OLZによる治療を受けた統合失調症患者における事象関連電位P300成分の変化を、Low Resolution Electromagnetic Tomography(LORETA)法を用いて解析した。その結果、健常者に認めるような側頭葉におけるP300発生源電流密度の左>右の側性が、OLZ投与前には認められなかったのが、治療後には明らかとなった。また、これらの患者において、言語学習記憶、QOLおよび精神病症状が治療後に改善した。以上の結果は、AAPDによる記憶機能の改善に、電気生理学的神経活動の脳画像的な変化が関与していることを初めて示すものである。