著者
梅田 匡純 森下 元賀 川浦 昭彦 河村 顕治
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.222-229, 2018-07-01 (Released:2019-07-15)
参考文献数
27

脳卒中患者の歩行獲得にとって,長下肢装具(KAFO)から短下肢装具(AFO)への移行は重要な要素となる.膝継手遊動化のKAFOを装着した歩行練習は,その過程の中で多く経験するが,足部調整には経験則によるところが大きい.AFOを対象にした報告では,足底屈制動の有効性に異論はないが,膝伸展を補うとされる足背屈制動については,推進力が抑制されるなどその見解は分かれる.そこで健常者13名を対象に,膝継手遊動のKAFOを装着し足背屈制限有無の歩行時床反力から検討を加えた結果,足背屈制限を付加した場合においても推進力は維持され,かつ膝関節は伸展方向へ安定させる傾向を示した.この結果からKAFOにおける足背屈制限は,AFO移行に向けた有効適応の可能性を示唆させた.
著者
川浦 昭彦
出版者
同志社大学大学院総合政策科学会
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-4, 2008-07

ハーディンは「共有地の悲劇」という言葉により、共有地(ローカル・コモンズ)の資源枯渇は避けることが困難であることを主張した。しかし、現実には多くの共同体において共有地を維持するための伝統的管理手法が継承されており、random allocationもその一つの方法である。random allocationとは共有地・共有資源を一定の規模に分割した上で、くじ引き等のランダム・プロセスによりそれぞれの区画を共同体構成員に配分し、一定期間の後に配分を繰り返す仕組みである。本論文では2時点モデルにより、random allocationによる管理が共有地の資源保護をもたらす条件を明らかにする。論説(Articles)