著者
高岡 哲子 小塀 ゆかり 川端 愛子 片倉 裕子
出版者
北海道文教大学
雑誌
北海道文教大学研究紀要 = Bulletin of Hokkaido Bunkyo University (ISSN:13493841)
巻号頁・発行日
no.43, pp.79-87, 2019-03-20

目的:本研究の目的は,わが国の看護学領域におけるクリッカーに関する文献検討を行い,研究の動向と研究成果を明らかにし,看護教育実践に活用することである.方法:看護学領域におけるARS 機器に関する文献検索を行った結果,合計34 件が抽出され,重複した文献13 件を除外した21 件を対象文献とした.得られた文献をマトリックス方式で整理したのち原著論文のみを抽出して「使用教材」,「研究目的」などの視点で整理した.これらの結果をもとに,今後の課題の視点で検討した.結果:我が国の看護学領域におけるクリッカーに関する文献検討を行った結果,演習や実習においてはPF-NOTE,講義ではクリッカーが主に活用されていた.また,クリッカーやPF-NOTE を使用することで,授業に対して楽しく積極的に参加できること,気づきや動機づけになっていたことなどが報告されていた.考察:看護学における演習で自身の判断に自信が持てず,発言を躊躇する傾向にある者にとって,匿名性と自らの判断を客観視できるPF-NOTE やクリッカーの使用は有効であると考える.また,今後の課題として受講者の段階的な教育方法の工夫と適切な評価方法の検討の必要性が示唆された.
著者
川端 愛子
出版者
北海道文教大学 ; 2004-
雑誌
北海道文教大学研究紀要 = Bulletin of Hokkaido Bunkyo University (ISSN:13493841)
巻号頁・発行日
no.40, pp.15-28, 2016-03

本論文は子育て・教育支援における「関係力育成プログラム」の実践を反応収集提示装置「PF-NOTEプロトタイプ」を活用して評価し,この指導法の有効性と,分析法として採用したPF-NOTEプロトタイプの活用の有用性を明らかにしたものである.分析のツールに用いた「PF-NOTE プロトタイプ」は,収録したビデオ映像を視聴しながら臨床実習生がリモコンでマーキング情報を記録することができるシステムである.ここでは,「関係力育成プログラム」が重視している「行動を流れの中で捉える」,「関係的視点から子どもの行動を捉える」,「構造化された場の構築」の3つの視点に耐えうる分析法として採用されている.これまでの研究は次の4つに大別することができる.研究1は「子育て・教育支援における評価方法の教育工学的研究」,研究2は「臨床観察法におけるPF-NOTEプロトタイプの運用効果」,研究3は「文教ペンギンルームにおける実践的研究」,研究4は「ミュージックセラピィの振り返りにおけるPF-NOTEプロトタイプの活用に関する実践的研究」である.本研究では,これらの4つの研究を概観することにより,今後の研究の方向性について総説した.