著者
大下 誠一 川越 義則 安永 円理子 高田 大輔 中西 友子 田野井 慶太朗 牧野 義雄 佐々木 治人
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.329-333, 2011 (Released:2011-08-29)
参考文献数
11
被引用文献数
9 6

福島原子力発電所から約230km離れた,東京都西東京市における研究圃場において原発事故後に栽培された野菜及び土壌の,134Csと137Csの放射能を測定した。試料は植え付け47日後のジャガイモの葉,並びに,苗の定植40日後のキャベツの外葉を用いた。両者共,134Csと137Csの総量は9Bq/kg以下となり,摂取制限に関する指標値500Bq/kgより低い値であった。土壌は約130Bq/kgであり,天然の40Kの約290Bq/kgと比較しても低い値であった。キャベツの外葉を水で洗浄する前後の放射能像をイメージングプレートにより得たが変化は見られなかった。
著者
大下 誠一 川越 義則 安永 円理子 高田 大輔 中西 友子 田野井 慶太朗 牧野 義雄 佐々木 治人
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
Radioisotopes (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.329-333, 2011-08-15
参考文献数
11
被引用文献数
4 6

福島原子力発電所から約230km離れた,東京都西東京市における研究圃場において原発事故後に栽培された野菜及び土壌の,<SUP>134</SUP>Csと<SUP>137</SUP>Csの放射能を測定した。試料は植え付け47日後のジャガイモの葉,並びに,苗の定植40日後のキャベツの外葉を用いた。両者共,<SUP>134</SUP>Csと<SUP>137</SUP>Csの総量は9Bq/kg以下となり,摂取制限に関する指標値500Bq/kgより低い値であった。土壌は約130Bq/kgであり,天然の<SUP>40</SUP>Kの約290Bq/kgと比較しても低い値であった。キャベツの外葉を水で洗浄する前後の放射能像をイメージングプレートにより得たが変化は見られなかった。
著者
大下 誠一 牧野 義雄 川越 義則
出版者
東京大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

水中にマイクロ・ナノバブル(MNB)を発生させ、ナノバブルに注目して0.6nm〜6μmの範囲にある粒子径を評価した。さらに、バブルの存在が期待される水の動的特性をNMR緩和時間T_1から検討した。水は超純水製造器(Direct-Q,日本ミリポア(株))で調製し、MNBの生成にはマイクロバブル発生システム((株)ニクニ製を改良)とマイクロバブル発生装置OM4-MDG-020((株)オーラテック)を用いた。バブル径測定にはゼータサイザーNano-ZS(シスメックス(株))を用いた。前者のシステム稼備後1時間まではデータが安定せず、バブルのピーク粒径は340nm、分布範囲は120nm〜6μmであった。稼働後1.5時間には、ピーク粒径(190nm)は小粒径側にシフトした。2時間後にバブルの発生を停止した時点で、分布範囲は50nm〜1μm、ピーク粒径は120nm付近であり、これは1日後まで安定して観測されたが、2日後に165nm付近になった。また、後者のバブル発生装置を45分稼働させた場合、酸素MNBの生成後15日間は、ナノサイズのバブルが安定に存在した。一方、酸素MNBにより溶存酸素濃度が上昇し、40mg/L程度の高濃度になった。水中に微細なバブルが存在すると、水分子のネットワークに影響してT_1の変化が期待される。しかし、酸素が常磁性を有するため、単純にはT_1からバブルの影響を抽出できない。そこで、常磁性のMn2+を添加して酸素の常磁性をマスクした。10mM のMn2+溶液を調製し、これに酸素MNBを生成させた水を準備した。その結果、溶存酸素濃度(DO)が7.6mg/LのMn2+溶液に対して、この溶液に酸素MNBを生成させた水(DO=33.6mg/L)のT_1が顕著に増大した。この結果は、水中におけるナノバブルの存在を支持するものであると判断された。