著者
川野 陽慈 山野辺 一記 栗原 聡 Yoji Kawano Ituki Yamanobe Satoshi Kurihara
雑誌
SIG-SAI = SIG-SAI
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1-8, 2018-03-01

現在,世界的にゲーム市場が拡大し必要なシナリオも増加している.シナリオライターの負担軽減と物語多様性の担保という観点から,シナリオ自動生成システムの開発が必要であると考えられる.そこで本研究では,シナリオの8割以上が当てはまるシナリオ構造である13フェイズ構造を活用し,それによるシナリオ作成一連の工程をすべて自動化,シナリオを生成するシステムASBS(Automatic Scenario Building System)の開発を行う.今回は,シナリオ作成に必要な,プロットの生成自動化をASBSによって行った.
著者
川野 陽慈 佐藤 季久恵 高屋 英知 須賀 聖 山内 和樹 栗原 聡
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

場の雰囲気は,人と人との間に流れる「空気」や視覚情報,聴覚情報などが複雑に絡み合うことによって形成されている.これを人為的にデザインする場合,特に視覚情報と聴覚情報(BGM)をコントロールすることが重要である.BGMには感情誘導効果やイメージ誘導効果があるとされており,小さな労力で場の雰囲気に合わせることができる.本研究では,店舗の雰囲気に適したBGMを推薦するシステムの構築を目指す.従来研究では,場の雰囲気から想起する人間の喜びや悲しみ,怒り (ストレス),落ち着きなどの感性評価はアンケートやインタビューなどの測定方法が用いられていた.しかし,この評価方法では被験者の顕在意識に影響を受ける可能性がある.また,従来研究では,没入感のない画像を見て評価を行っており,現場にいる感覚での推薦に至らない可能性がある.そこで,本研究では人手による音楽の印象抽出ではなく,脳波を読み取ることで人が潜在的に抱く印象を抽出した.また,Virtual Reality(VR) を用いることで,あたかも現実空間にいるような環境で,あらゆる空間での実験を行った.
著者
川野 陽慈 高屋 英知 栗原 聡
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2020-ICS-198, no.2, pp.1-6, 2020-02-29

人々の生活に AI が浸透していく中で,コミュニケーションの円滑化を図る AI の構想は,「人と AI の共生」という観点から非常に重要なテーマである.本研究では,人間同士のコミュニケーションの中でも,インターネット掲示板での議論のように殺伐とした雰囲気に陥りやすいシチュエーションを想定し,その場の雰囲気を落ち着けるようなシステムの構築を目指す.その第一歩として,インターネット掲示板でしばしば登場する「矛盾塊」と呼ばれるアスキーアートの生成を試みた.具体的には,「画像と単語の意味のズレ」が重要であるとの仮説に基づき,WordNet を用いる手法と,辞書の見出し語を用いる手法を試みた.複数人によるアンケート調査の結果,ランダムで生成したものよりも良いという評価など,一定の成果が得られた.
著者
川野 陽慈 宇都宮 悠輝 高屋 英知 山野辺 一記 栗原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.3D5OS22b04, 2020 (Released:2020-06-19)

近年ゲーム業界は拡大しており,必要とされるシナリオの数も増加している.そのためにシナリオ自動生成が求められている.シナリオの自動生成手法には完成稿を直接作成する方法もある.しかし,本研究ではより自由度が高くシナリオの崩壊が起きづらい方法として,シナリオの大筋の流れを記載したプロットを物語の共通構造で生成する手法を提案する.シナリオの自動生成には素材となるシナリオのプロットデータが必要となるが,人手で大量のデータを用意するのは難しい.そのため,現存するシナリオからプロット作成のためのデータを抽出し素材として用いることが必要となる.そこでシナリオ自動生成のため映画脚本に着目した.映画脚本をシナリオ自動生成の素材とするためにはストーリー展開を構造化したプロットが必要となる.それを映画脚本から抽出するためにストーリー展開の変化する点で映画脚本を分割することを試みた.映画の登場人物に着目することで,ストーリー展開の変化を捉えられることが示唆された.また,シナリオの素材を元にしたプロット生成において,作品性の調整を自由に行えるシステムを作成し有効性の検討を行った.