著者
工藤 陽史 山口 茂 佐渡 旭 栗山 孝浩 深井 誠一
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.363-369, 2012
被引用文献数
1

発蕾期以降が短日期となる熊本県のトルコギキョウ冬出し栽培において,開花と花蕾のブラスチングおよび茎伸長に及ぼす電照の影響を検討した.実験1では,'ロジーナローズピンク'と'ピッコローサスノー'を供試し,白熱電球を用いた暗期中断の影響を定植直後から検討した.その結果,主茎頂花の発達が促進されるとともに,自然日長よりブラスチングの発生が減少した.実験2では,'ボレロホワイト'を供試し,2次小花と3次小花を調査対象として,白熱電球と蛍光灯を用いた明期延長(20時間日長)の影響を主茎頂花の発蕾期以降に検討した.また,2次小花の花芽形成期および花芽成熟期に,白熱電球による明期延長処理を行った.その結果,主茎頂花の発蕾期以降の白熱電球による明期延長によって,2次小花の開花時期は影響を受けなかったが,ブラスチングの発生は減少し,切り花長は長くなった.また,3次花柄長は花芽形成期の電照で短く,花芽成熟期の電照で長くなった.以上より,白熱電球を用いた明期延長でブラスチングの発生が減少し,商品花蕾数を増加できることが明らかとなった.<br>
著者
工藤 陽史 山口 茂 福田 直子 菊池 竜也 佐渡 旭 深井 誠一
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.343-349, 2012
被引用文献数
1 3

西南暖地におけるトルコギキョウの冬出し栽培では,開花の遅延回避と草丈の確保が問題となる.西南暖地の冬出し栽培では,定植後の一定期間に加温を必要としないことに着目し,高昼温管理による生育促進技術を検討した.夜温を15℃一定とし,昼温25または30℃に設定した自然光型ファイトトロンで,中早生品種'ボレロホワイト'を定植~切り花収穫まで栽培した.昼温25℃区に比べて昼温30℃区で主茎伸長が促進され,早期に発蕾して開花した.定植60日後までの茎葉の乾物重は,昼温30℃で重い傾向にあった.また,下位節の節間伸長は,定植40日後までに決定されていた.これらの効果を実際の栽培で確認するため,施設の換気温度を25と30℃に設定したガラス温室で,初期生育と発蕾日に及ぼす影響を検討した結果,30℃が25℃と比較して生育は促進したが発蕾日に差はなかった.さらに,9月22日定植と9月29日定植の2回の栽培で,定植から約40日程度の施設の換気温度を30℃に設定した高昼温管理が,収穫日と切り花品質に及ぼす影響の検討を行った結果,初期生育が促進し,9月22日定植で2月上旬,9月29日定植で2月中旬に切り花長80 cm以上,切り花重40 g以上確保された切り花が得られることが明らかとなった.<br>
著者
工藤 陽史 山口 茂 福田 直子 菊池 竜也 佐渡 旭 深井 誠一
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.343-349, 2012-07-15

西南暖地におけるトルコギキョウの冬出し栽培では,開花の遅延回避と草丈の確保が問題となる。西南暖地の冬出し栽培では,定植後の一定期間に加温を必要としないことに着目し,高昼温管理による生育促進技術を検討した。夜温を15℃一定とし,昼温25または30℃に設定した自然光型ファイトトロンで,中早生品種'ボレロホワイト'を定植~切り花収穫まで栽培した。昼温25℃区に比べて昼温30℃区で主茎伸長が促進され,早期に発蕾して開花した。定植60日後までの茎葉の乾物重は,昼温30℃で重い傾向にあった。また,下位節の節間伸長は,定植40日後までに決定されていた。これらの効果を実際の栽培で確認するため,施設の換気温度を25と30℃に設定したガラス温室で,初期生育と発蕾日に及ぼす影響を検討した結果,30℃が25℃と比較して生育は促進したが発蕾日に差はなかった。さらに,9月22日定植と9月29日定植の2回の栽培で,定植から約40日程度の施設の換気温度を30℃に設定した高昼温管理が,収穫日と切り花品質に及ぼす影響の検討を行った結果,初期生育が促進し,9月22日定植で2月上旬,9月29日定植で2月中旬に切り花長80cm以上,切り花重40g以上確保された切り花が得られることが明らかとなった。