著者
幾石 尚美 塚原 裕 福田 直子 鈴木 絢子 神田 理恵子 川村 良 橋村 尚彦 中村 亜矢子 土子 綾
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.31-35, 2014-02-01 (Released:2015-05-22)
参考文献数
18

本症例は子宮頸部高度異形成の術前診断であったが,年齢と根治性を考え子宮全摘術を行った.病理診断は子宮頸部上皮内がんで切除断端は陰性であった.しかし術後4 か月目に腟断端部に異型細胞を認めた.その原因には術前から長期間認めていたハイリスク型ヒトパピローマウィルス human papillomavirus (HPV) 感染が強く考えられ,術後の定期的なエストリオール錠の腟内投与にて異型細胞が著明に減少した.
著者
福田 直子 湯川 智行
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.505-509, 1998
被引用文献数
8

ソラマメの在来種を含む41品種を用いて積雪条件が異なる2ヵ年にわたり, 越冬前の生育特性と雪害程度を調査し, 品種の耐雪性との関連について検討した.雪害による枯死葉面積率と枯死株率をもとに供試品種は耐雪性強, 中, 弱の3品種群に分類できた.耐雪性強品種群は新潟市近郊の在来種とその突然変異品種の2品種, 耐雪性中品種群は原産地や育成地が西日本中心に分布する35品種, 耐雪性弱品種群は海外から導入された品種および鹿児島県の在来種の4品種であった.それぞれの品種群は原産地や育成地に共通性が認められ, 品種の耐雪性と育成環境との間に関連が示唆された.越冬前の生育特性と品種の耐雪性との間には密接な関係が認められた.耐雪性弱品種は花芽分化の時期が早く分化葉位が低いために越冬前に花芽の顕著な発育が認められたことから春播き型の品種であると考えられる.一方, 耐雪性強品種群は花芽分化の時期が遅く, 越冬前の花芽の発育ステージは初期段階であった.また耐雪性に関わる形態的特徴として, 耐雪性の強い品種は越冬前の草丈, 節間長, 茎葉生重が小さく, 茎葉乾物率が高い特性をもっていた.
著者
湯本 弘子 福田 直子
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.299-306, 2022 (Released:2022-09-30)
参考文献数
16

トルコギキョウの春出荷作型において,中心部分の花弁に緑色部が残ったまま開花に至る着色不良花が発生することがある.本実験では,春出荷作型において花芽分化期と予想される時期の高温(27°C)処理が着色不良花の発生に及ぼす影響について調査した.高温処理実施期間(1月7日~2月18日)のガラス温室内の日平均気温は19°Cを下回った.主茎頂花については高温処理7日間では1月14日,1月21日,2月4日,処理14日間では1月7日以降の高温処理で着色不良花率が対照区より低くなった.一次側枝頂花については高温処理7日間では2月4日,処理14日間では1月28日以降の高温処理で着色不良花率が対照区より低くなった.花弁,雄ずいおよび雌ずいの数は高温処理区で対照区に比べて少ない傾向がみられた.また,頂花および側花における着色不良花の花器官数は正常花に比べて多かった.これらの結果から,高温処理によって着色不良花が減少することが明らかになった.春出荷作型では低温期に花器官が多数分化し,外側の花弁と内側の花弁の発達ステージが大きく乖離することから中心部分の着色が不十分なまま開花に至ると考えられた.
著者
福田 直子 大宮 あけみ 伊藤 佳央 小関 良宏 野田 尚信 菅野 善明 鈴木 正彦 中山 真義
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.380, 2003-03-27 (Released:2004-02-24)

同一花弁において着色組織と白色組織が存在する覆輪花弁は、色素生合成の活性化・不活性化の機構を理解するために極めて有効な材料であると考えられる。トルコギキョウの覆輪形成に関与するフラボノイド系色素の生合成について解析した。 先端着色品種では、花弁の成長初期から着色組織にフラボノイドの蓄積が認められ、開花直前からアントシアニンが合成されたのに対し、白色組織では花弁のすべての生育ステージにおいてフラボノイドとアントシアニンの蓄積は認められなかった。一方、基部着色品種では先端着色品種と異なり、花弁の成長初期には全ての組織においてフラボノイドの蓄積が認められたが、花弁の成長に伴い白色組織のフラボノイドは減少していった。両品種とも開花花弁の着色組織と白色組織においてchalcone synthase (CHS)遺伝子の転写産物の蓄積に顕著な差が認められ、白色組織においてCHS遺伝子の転写が特異的に不活性化されていた。トルコギキョウにおいては、CHS遺伝子の組織特異的発現が、覆輪の形成に深く関与していると考えられる。花弁の成長に伴うフラボノイドの蓄積パターンから、先端着色品種ではCHSの不活性化は花弁の成長の初期から起こるのに対し、基部着色品種では花弁の成長に伴いCHSの不活性化が起こると考えられる。それぞれの品種において、CHSの不活性化には、異なる機構が機能していることが示唆された。
著者
福田 直子 湯川 智行
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.505-509, 1998-12-05
被引用文献数
2

ソラマメの在来種を含む41品種を用いて積雪条件が異なる2ヵ年にわたり, 越冬前の生育特性と雪害程度を調査し, 品種の耐雪性との関連について検討した.雪害による枯死葉面積率と枯死株率をもとに供試品種は耐雪性強, 中, 弱の3品種群に分類できた.耐雪性強品種群は新潟市近郊の在来種とその突然変異品種の2品種, 耐雪性中品種群は原産地や育成地が西日本中心に分布する35品種, 耐雪性弱品種群は海外から導入された品種および鹿児島県の在来種の4品種であった.それぞれの品種群は原産地や育成地に共通性が認められ, 品種の耐雪性と育成環境との間に関連が示唆された.越冬前の生育特性と品種の耐雪性との間には密接な関係が認められた.耐雪性弱品種は花芽分化の時期が早く分化葉位が低いために越冬前に花芽の顕著な発育が認められたことから春播き型の品種であると考えられる.一方, 耐雪性強品種群は花芽分化の時期が遅く, 越冬前の花芽の発育ステージは初期段階であった.また耐雪性に関わる形態的特徴として, 耐雪性の強い品種は越冬前の草丈, 節間長, 茎葉生重が小さく, 茎葉乾物率が高い特性をもっていた.
著者
福島 啓吾 梶原 真二 石倉 聡 時安 美奈 福田 直子 後藤 丹十郎
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.373-379, 2019 (Released:2019-12-31)
参考文献数
23
被引用文献数
2

定植後に速やかに生育するトルコギキョウ苗を人工光利用の閉鎖型育苗環境で育てることを意図し,育苗開始から5週間の明期の長さおよびPPFDを明らかにしようとした.育苗は,明暗期の気温を27.5°Cとしたインキュベータで行った.PPFDを平均125 μmol・m–2・s–1とした場合,育苗開始8日後の発芽率は,明期の長さにかかわらず98%以上となった.育苗開始5週間後の苗の節位別の葉身長は,明期の長さが12 hと比較して20 hおよび24 hが大きく,定植から抽苔,発蕾および開花までの日数は小さかった.明期の長さを24 hとした場合,育苗開始8日後の発芽率は,PPFDにかかわらず概ね95%以上となった.育苗開始5週間後の苗の節位別の葉身長は,PPFDが50 μmol・m–2・s–1と比較して100 μmol・m–2・s–1および125 μmol・m–2・s–1が大きく,定植から抽苔,発蕾および開花までの日数は小さかった.これらの結果から,明暗期の気温が27.5°Cの人工光利用の閉鎖型育苗環境では,育苗中の明期の長さを20 h以上,PPFDを100~125 μmol・m–2・s–1にすることで,定植後にロゼット株が発生することなく,速やかに生育するトルコギキョウ苗を生産できることが明らかになった.
著者
工藤 陽史 山口 茂 福田 直子 菊池 竜也 佐渡 旭 深井 誠一
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.343-349, 2012
被引用文献数
1 3

西南暖地におけるトルコギキョウの冬出し栽培では,開花の遅延回避と草丈の確保が問題となる.西南暖地の冬出し栽培では,定植後の一定期間に加温を必要としないことに着目し,高昼温管理による生育促進技術を検討した.夜温を15℃一定とし,昼温25または30℃に設定した自然光型ファイトトロンで,中早生品種'ボレロホワイト'を定植~切り花収穫まで栽培した.昼温25℃区に比べて昼温30℃区で主茎伸長が促進され,早期に発蕾して開花した.定植60日後までの茎葉の乾物重は,昼温30℃で重い傾向にあった.また,下位節の節間伸長は,定植40日後までに決定されていた.これらの効果を実際の栽培で確認するため,施設の換気温度を25と30℃に設定したガラス温室で,初期生育と発蕾日に及ぼす影響を検討した結果,30℃が25℃と比較して生育は促進したが発蕾日に差はなかった.さらに,9月22日定植と9月29日定植の2回の栽培で,定植から約40日程度の施設の換気温度を30℃に設定した高昼温管理が,収穫日と切り花品質に及ぼす影響の検討を行った結果,初期生育が促進し,9月22日定植で2月上旬,9月29日定植で2月中旬に切り花長80 cm以上,切り花重40 g以上確保された切り花が得られることが明らかとなった.<br>
著者
工藤 陽史 山口 茂 福田 直子 菊池 竜也 佐渡 旭 深井 誠一
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.343-349, 2012-07-15

西南暖地におけるトルコギキョウの冬出し栽培では,開花の遅延回避と草丈の確保が問題となる。西南暖地の冬出し栽培では,定植後の一定期間に加温を必要としないことに着目し,高昼温管理による生育促進技術を検討した。夜温を15℃一定とし,昼温25または30℃に設定した自然光型ファイトトロンで,中早生品種'ボレロホワイト'を定植~切り花収穫まで栽培した。昼温25℃区に比べて昼温30℃区で主茎伸長が促進され,早期に発蕾して開花した。定植60日後までの茎葉の乾物重は,昼温30℃で重い傾向にあった。また,下位節の節間伸長は,定植40日後までに決定されていた。これらの効果を実際の栽培で確認するため,施設の換気温度を25と30℃に設定したガラス温室で,初期生育と発蕾日に及ぼす影響を検討した結果,30℃が25℃と比較して生育は促進したが発蕾日に差はなかった。さらに,9月22日定植と9月29日定植の2回の栽培で,定植から約40日程度の施設の換気温度を30℃に設定した高昼温管理が,収穫日と切り花品質に及ぼす影響の検討を行った結果,初期生育が促進し,9月22日定植で2月上旬,9月29日定植で2月中旬に切り花長80cm以上,切り花重40g以上確保された切り花が得られることが明らかとなった。