著者
中野 正博 松浦 弘幸 魚住 裕介 巨 東英 木村 真三 牧野 健一 金 政浩 野田 信雄 小井手 一晴 辺 培 今村 稔
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.115-121, 2006-10-20
被引用文献数
5

ナノ磁石の生体内中での振る舞いは全く分かっておらず、直接的な観測を行ってその相互作用の情報を得る必要がある。そこで大型放射光施設SPring8を用いて、色々な媒質中に置かれたナノ磁石の集合体に対して外部磁場を印加し、その条件下でのナノ磁石密度分布の時間変化をSPring8の放射光で観察し追跡することを目的として、本実験を行った。ナノ磁性体は、今回のビームラインでは、約30〜50μm程度の小さな凝集体まで観測できたこと、さらに、ナノ磁性体の凝集体を、外部磁場で誘導できることが結論できる。さらに、キャノーラ油液中で0.5mmの磁性クラスタの外部磁場による移動の観測から、それにかかる力と速度、さらには磁価の推定までを行い、実際の使用時の大きさの条件を明らかにした。