著者
中野 正博 松浦 弘幸 魚住 裕介 巨 東英 木村 真三 牧野 健一 金 政浩 野田 信雄 小井手 一晴 辺 培 今村 稔
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.115-121, 2006-10-20
被引用文献数
5

ナノ磁石の生体内中での振る舞いは全く分かっておらず、直接的な観測を行ってその相互作用の情報を得る必要がある。そこで大型放射光施設SPring8を用いて、色々な媒質中に置かれたナノ磁石の集合体に対して外部磁場を印加し、その条件下でのナノ磁石密度分布の時間変化をSPring8の放射光で観察し追跡することを目的として、本実験を行った。ナノ磁性体は、今回のビームラインでは、約30〜50μm程度の小さな凝集体まで観測できたこと、さらに、ナノ磁性体の凝集体を、外部磁場で誘導できることが結論できる。さらに、キャノーラ油液中で0.5mmの磁性クラスタの外部磁場による移動の観測から、それにかかる力と速度、さらには磁価の推定までを行い、実際の使用時の大きさの条件を明らかにした。
著者
牧野 健一
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1166, 2018 (Released:2018-12-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1

「ひらめき」は,突然かつ瞬間的になされる学習であり,心理学においては洞察学習と呼ばれる学習機構である.らに,洞察学習の特徴として,学習の成立に伴った快と驚きの情動反応,すなわち「アハ体験」(Aha! moment)が生じることが知られている.近年では,洞察学習時における脳活動に関して,主にヒトfMRIを用いた研究が行われている.現在までに,洞察学習に付随した前帯状皮質や海馬などの脳領域の活動上昇が報告されている.しかしながら,洞察学習時における脳活動は,特に皮質下領域の活動性に関しては,未だ十分に明らかとなってはいない.本稿では,7Teslaの超高磁場fMRI(7 T fMRI)を用いることで,アハ体験と相関したドパミン神経系の活動を捉えることに成功した知見を紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Köhler W., “The mentality of apes”, Routledge & Kegan Paul, London(1925).2) Topolinski S., Reber R., Curr. Dir. Psychol. Sci., 19, 402-405(2010).3) Luo J., Niki K., Hippocampus, 13, 316-323(2003).4) Aziz-Zadeh L. et al., Hum. Brain Mapp., 30, 908-916(2009).5) Tik M. et al., Hum. Brain Mapp., in press.
著者
牧野 健一
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1166, 2018

「ひらめき」は,突然かつ瞬間的になされる学習であり,心理学においては洞察学習と呼ばれる学習機構である.らに,洞察学習の特徴として,学習の成立に伴った快と驚きの情動反応,すなわち「アハ体験」(Aha! moment)が生じることが知られている.<br>近年では,洞察学習時における脳活動に関して,主にヒトfMRIを用いた研究が行われている.現在までに,洞察学習に付随した前帯状皮質や海馬などの脳領域の活動上昇が報告されている.しかしながら,洞察学習時における脳活動は,特に皮質下領域の活動性に関しては,未だ十分に明らかとなってはいない.本稿では,7Teslaの超高磁場fMRI(7 T fMRI)を用いることで,アハ体験と相関したドパミン神経系の活動を捉えることに成功した知見を紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Köhler W., "The mentality of apes", Routledge & Kegan Paul, London(1925).<br>2) Topolinski S., Reber R., <i>Curr</i>. <i>Dir</i>. <i>Psychol</i>. <i>Sci</i>., <b>19</b>, 402-405(2010).<br>3) Luo J., Niki K., <i>Hippocampus</i>, <b>13</b>, 316-323(2003).<br>4) Aziz-Zadeh L. <i>et</i> <i>al</i>., <i>Hum</i>. <i>Brain</i> <i>Mapp</i>., <b>30</b>, 908-916(2009).<br>5) Tik M. <i>et</i> <i>al</i>., <i>Hum</i>. <i>Brain</i> <i>Mapp</i>., in press.
著者
河津 隆三 田島 文博 牧野 健一郎 大川 裕行 梅津 祐一 赤津 嘉樹 緒方 甫
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.13-21, 1999-03-01

これまで,車いすフルマラソンでは,選手の握力などの上肢筋力がレースタイムに影響することが報告されている。しかし,車いすハーフマラソンでは上肢筋力とレースタイムの関係を調査した報告はない。今回我々は大分国際車いすハーフマラソン部門に参加した4人の選手を対象にして,肘伸展筋力の等運動性筋力測定を,毎秒60°,120°,240°の角速度で行った。選手は全員完走し,そのレースタイムとピークトルク値を比較した。我々の測定では肘伸展筋力と車いすマラソンレースタイムとの間には全ての角速度において有意な相関を認めたが,肘屈曲筋力については相関はみられなかった。この結果より,車いすハーフマラソンにおいて幅広い角速度での筋力強化がレースタイムの改善に有用であることが考えられた。