著者
巽 浩一郎
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.129-133, 2010-10-31 (Released:2016-09-01)
参考文献数
10

慢性閉塞性肺疾患・気管支喘息などの慢性呼吸器疾患の増悪を抑制するための戦略は,1)気道炎症を可能な限り改善しておく,2)気道感染を予防する,3)心機能を保つ,に大別される.薬物療法の観点で考えると,気道感染の予防には去痰薬に分類されているカルボシステインが有用である.カルボシステインは,気道上皮細胞に対するウイルスエントリーインヒビターの役割を有しており,臨床的にも増悪抑制に有用である.
著者
坂尾 誠一郎 巽 浩一郎 笠原 靖紀
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

慢性血栓塞栓性肺高血圧症における血栓内膜摘出術検体より分離した肉腫様細胞は、肺動脈原発血管内肉腫(intimalsarcoma)に非常に近い特徴を有することが示された。また肉腫様細胞ではmatrixmethalloproteinase(MMPs)遺伝子発現が著名に上昇していたため、抑制実験としてMMPs阻害薬のbatimastatの投与実験を施行した。その結果invitro、invivo共に腫瘍細胞増殖抑制効果を示し、以上からbatimastatによるintimalsarcomaへの臨床応用の可能性が示唆された。しかし、当初の目的である摘出血栓からの造血幹細胞分離・臨床応用に関してはさらなる検討が必要である。