著者
市川 貴大 市川 明日香
出版者
Japanese Institute of Landscape Architecture
雑誌
ランドスケープ研究(オンライン論文集) (ISSN:1883261X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.12-17, 2013 (Released:2013-04-06)
参考文献数
48

Forest leaf litter collections and composting have been carried out as maintenance activities in Satoyama, Japan. The purpose of this study is to clarify the degree of trampled forest leaf litter and changing of chemical characteristic and microbial activity differences between trampled and not trampled forest leaf litter in Satoyama. Microbial activity (Absorbance at 490nm = A490) of composting forest leaf litter rose to below the composting after one year regardless trampled and not trampled. Trampled forest leaf litter had no effect on the changing of the chemical and biological characteristics of composting beyond a limit of period (about 6 month). In the composting first stage, forest litter collections have been compressed because of trampling, resulting in confirming an increase of content weight and microbial activity. The carbon mineralization and huminification was promoted by means of trampling forest leaf litter. Hence, trampled forest leaf litter was an effective contribution toward composting during the first stage.
著者
市川 貴大 深澤 文貴 高橋 輝昌 浅野 義人
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.23-29, 2002-12-25 (Released:2017-04-03)
参考文献数
34
被引用文献数
6

ヒノキおよびスギ人工林化による土壌の養分特性の変化を明らかにすることを目的に,落葉広葉樹天然林伐採後に人工造林されたヒノキおよびスギ林と,天然更新した広葉樹林が同一斜面上に成立する調査地において,A_0層の乾重および養分含有量,鉱質土壌の化学的性質を調査した。針葉樹林の斜面上部にはヒノキが(ヒノキ林),斜面下部にはスギが(スギ林)それぞれ植栽されている。本研究では,斜面位置ごとに調査結果を広葉樹林と針葉樹林において比較した。ヒノキ人工林化によって土壌深0-30cmにおける交換性塩基量に違いは見られなかった。スギ人工林化によって土壌深0-30cmにおける交換性塩基量は隣接する広葉樹林に比べて多く,特に交換性Ca量は約1.9倍であった。土壌深0-30cmにおける全C,N量,CECは斜面上部のヒノキ林では広葉樹林に比べそれぞれ約0.6,0.6,0.8倍であったが,斜面下部のスギ林では広葉樹林とほぼ同じであった。A_0層量は斜面位置にかかわらず,広葉樹林で約7.1Mg/ha,ヒノキ林とスギ林では共に約9.5Mg/haであった。本調査地のA_0層のC/N比は広葉樹林に比べて針葉樹林で高かった。各調査区のA_0層中の元素含有量と土壌深0-30cmの全C,N量および交換性K,Ca,Mg,Na量の関係について検討したところ,Caについてのみ有意な正の相関関係がみられた。スギ人工林化によってA_0層中に蓄積されたCaの影響を受けて交換性Ca量が増加していると推察された。
著者
市川 貴大 高橋 輝昌 浅野 義人 小林 達明
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.623-626, 2002-05-31 (Released:2011-02-09)
参考文献数
19
被引用文献数
5 5

簡易かつ精度よく雨水や塩化カリウムによる土壌抽出液に含まれるアンモニア態窒素を定量するために, 水質分析で用いられているインドフェノール青法 (原法) の試料・試薬を少量化し, 簡易化した。すなわち, 試料2mlを25mlの試験管にとり, 水を10ml加える。つぎにフェノール・ニトロプルシッドナトリウム溶液を2ml加えたのちに, すばやく次亜塩素酸ナトリウム溶液を2ml加えて混和し, 室温で一・定時間放置する。この液の吸光度を635nmで測定する (試験管法)。本研究では, 吸光度に及ぼす試料の塩化カリウム濃度, 反応させた温度, 反応時間の影響について検討した。その結果, 吸光度は塩化カリウム濃度, 反応させた温度, 反応時間の上昇に伴い高まる傾向にあった。また, 測定結果を原法と試験管法で比較したところ, 両者はよく一致し, ほぼ1: 1の直線で回帰できた。このことから, 試験管法は簡易かつ原法と同様の精度で雨水や塩化カリウムによる土壌抽出液に含まれるアンモニア濃度を測定することができる。
著者
市川 貴大
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.28(第28回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.7-12, 2014 (Released:2014-12-03)
参考文献数
37

堆肥環状施用の有無が樹木の生育に及ぼす影響を明らかにするために,植栽基盤に植栽された生育不良なヤマザクラについて,葉のSPAD 値,活力度,相対樹高,相対胸高直径,相対樹冠幅の変化を調査した。本調査地では表層土壌の持ち出しによる肥沃度の低下が植栽樹木の生育への制限要因になっていると考えられた。また,堆肥環状施用により,表層土と下層土の混合土と同様の植栽基盤の改善効果があることが示された。葉のSPAD 値にて植栽樹木の生育状況を評価する場合は夏期に行う必要があることが示唆された。