著者
市野 素英 田村 智彦 西山 晃 堀田 千絵
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

寄生虫感染症のマラリアでは、免疫応答で重要な役割を果たす樹状細胞(DC)の成熟阻害が起こり、宿主が免疫抑制状態に置かれることが知られている。しかし、その分子メカニズムはよく判っていない。本研究では、マラリア原虫感染赤血球が宿主の骨髄細胞に作用し、DCの分化に必須の転写因子IRF4/IRF8の発現を転写レベルで抑制してDCの分化異常を起こすことを、マウスマラリアモデルを用いた解析により明らかにした。
著者
西山 晃 田村 智彦 市野 素英 堀田 千絵
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

細胞分化には、各系譜に特異的な転写因子による適切な遺伝子発現が必須であり、その破綻が免疫不全やがんなどの疾患を引き起こしうる。転写因子IRF8は単球を含む血球細胞分化に必須であり、慢性骨髄性白血病の重要な制御因子と考えられている。本研究ではIRF8の機能解析を通じて血球細胞の分化機構を明らかにし、ひいては白血病の新規治療法の可能性を探ることを目標とした。IRF8の遺伝子導入等の複数のマクロファージ分化系で遺伝子発現を網羅的に解析した。その結果、共通に発現が誘導される転写因子を同定し、それらの遺伝子導入によりIRF8を介さないマクロファージ分化を達成した。