著者
帆足 養右 平林 祐子 船橋 晴俊 寺田 良一 池田 寛二 高田 昭彦 鳥越 皓之 海野 道郎 関 礼子 藤川 賢
出版者
富士常葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本プロジェクトでは、1)環境問題史および環境問題の社会調査史の整理、2)アジア・太平洋地域諸国における環境問題の歴史的展開と環境社会学的調査および研究動向の把握、3)わが国における環境社会学の形成・発展の過程の総合的検討、の3つの作業を行い、下記の成果をまとめた。(1)故飯島伸子・富士常葉大学教授が遺された、公害・環境問題の社会調査資料約6,000点の整理分類とデータベース作成作業を行い、それらを収めたCD(Ver.2)と文庫の概要を示すパンフレットを作成した。「飯島伸子文庫」は、環境社会学と社会調査についてのアーカイブとして完成し、一般に利用可能となった。(2)研究分担者らがそれぞれのテーマで、環境社会学の理論的、実証的研究を行い、26本の論文からなる報告書(全423頁)にまとめた。論文のテーマは、飯島伸子文庫と環境年表、日本の公害・労災問題、環境問題と環境運動、環境社会学理論と環境教育、地球とアジア・太平洋地位の環境、の5つに大別される。(3)飯島教授の代表的著作『公害・労災・職業病年表』(公害対策技術同友会,1977年)の索引付新版を出版し(すいれん社より2007年6月刊行)、さらにその「続編」に相当する(仮称)『環境総合年表(1976-2005)』のための準備資料として、『環境総合年表(1976-2005)準備資料1・統合年表』(全317頁)と、『環境総合年表(1976-2005)準備資料2・トピック別年表』(全166頁)を、本プロジェクトのメンバーらで分担・協力して作成した。これらは、主要な公害/環境問題について、分担者らがトピック別に重要事項を挙げた年表を作成する方式で編集され、全部で65のトピックを扱っている。今後更なるデータの吟味・追加が必要ではあるが、飯島教授の仕事を引き継ぎながら、環境問題および環境社会学と調査史について総合的に辿ることのできる資料となっている。