著者
藤川 賢
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
vol.11, pp.103-116, 2005

<p>被害が被害として認識されにくいことは多くの公害問題に共通して見られるが,イタイイタイ病および慢性カドミウム中毒においてはとくに特徴的である。中でも,大幅な発見の遅れにより多くの激甚な被害者が見過ごされたこと,富山以外でも要観察地域や土壌汚染対策地域が指定されながら同様の健康被害が公害病と認められなかったことは,重要と考えられる。本稿は,被害地域などでの聴き取り調査にもとづいて,こうした被害放置の経緯と背景を明らかにしようとするものである。発見の遅れについては,公害の社会問題化以前で危険性が重視されなかったこと,川への信頼などの他に,個々の症例においても地域全体としてもイ病が長い年月をかけて深刻化したために,激しい症状さえもあたかも自然なことのように受け止められていたことが指摘できる。また,農業被害は明治時代から明らかで補償請求運動も続いていたにもかかわらず,それが直接には健康被害への着目や運動につながらなかったことが指摘される。</p><p>イ病訴訟後も,土壌汚染対策費用などの政治経済的理由を背景に,イ病とカドミウムの因果関係を疑い,神通川流域以外でのカドミウムによる公害病を否定する動きがある。これは医学論争であると同時に,力の弱い少数者の被害が行政面でも医療面でも軽視されるという,未発見時代と類似した社会的特徴を持ち,現代にも問題を残していると考えられる。</p>
著者
藤川 賢
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
no.18, pp.45-59, 2012-11-20

本稿では,公害に関する被害構造論の知見をいかして,福島第一原子力発電所の事故をめぐる今後の被害拡大とその予防の可能性を考察する。被害構造論では,加害構造ともむすびついた被害の潜在化を指摘しているが,福島原発事故においても,健康被害と派生的被害の両方で潜在化の恐れがある。それについて,被害構造に関する先行研究と,福島県内でのヒアリング結果を照らしながら,被害と加害の関係を論じている。そのなかで,とくに社会的な視点から重要なのは,福島原発事故をめぐる避難がさまざまな関係性を分断していると同時に,それが自分自身の選択の結果として受け止められる傾向である。それによって,苦渋の選択を迫られてジレンマにおちいる人もいれば,物理的な分断に関連して地域の信頼関係が崩れる場合もある。こうした点は,原子力施設の立地や存廃問題が,地域内での対立をもたらしながら,立地地域が施設の存続を希望するかのような状況をつくりだしてきたことと深くかかわっている。原発事故の被害地域や原発立地地域の人たちは,ベックが個人化論に関して指摘したのと似た不本意な選択を強いられている。今後,被害者の孤立や問題の風化を防ぐためには,選択の強要を受けること自体が被害であることを社会全体が認識して,加害側の構造を見直し,それを是正するための社会的責任を明確にする必要がある。
著者
藤川 賢
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究 (ISSN:24340618)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.103-116, 2005-10-25 (Released:2019-01-22)

被害が被害として認識されにくいことは多くの公害問題に共通して見られるが,イタイイタイ病および慢性カドミウム中毒においてはとくに特徴的である。中でも,大幅な発見の遅れにより多くの激甚な被害者が見過ごされたこと,富山以外でも要観察地域や土壌汚染対策地域が指定されながら同様の健康被害が公害病と認められなかったことは,重要と考えられる。本稿は,被害地域などでの聴き取り調査にもとづいて,こうした被害放置の経緯と背景を明らかにしようとするものである。発見の遅れについては,公害の社会問題化以前で危険性が重視されなかったこと,川への信頼などの他に,個々の症例においても地域全体としてもイ病が長い年月をかけて深刻化したために,激しい症状さえもあたかも自然なことのように受け止められていたことが指摘できる。また,農業被害は明治時代から明らかで補償請求運動も続いていたにもかかわらず,それが直接には健康被害への着目や運動につながらなかったことが指摘される。イ病訴訟後も,土壌汚染対策費用などの政治経済的理由を背景に,イ病とカドミウムの因果関係を疑い,神通川流域以外でのカドミウムによる公害病を否定する動きがある。これは医学論争であると同時に,力の弱い少数者の被害が行政面でも医療面でも軽視されるという,未発見時代と類似した社会的特徴を持ち,現代にも問題を残していると考えられる。
著者
渡辺 伸一 藤川 賢
出版者
奈良教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

カドミウムによる環境汚染がもたらす健康被害、すなわち慢性カドミウム中毒は、その重篤例が、イタイイタイ病であり、非重篤例がカドミウム腎症(近位尿細管障害)という腎障害である。しかるに、環境省と環境省が組織化した医学研究班は、この腎障害を公害病とは認めていない。カドミウム中毒問題は水俣病問題と並ぶわが国を代表する公害問題であるが、両公害問題がたどった歴史的過程には、(1)複数の汚染地域のうち一部の地域しか公害病指定されず、しかも、(2)非重篤例など多くの被害者が被害者と認められてこなかった、という共通点を見て取ることができる。このカドミウム中毒問題において、われわれは、既に、富山県神通川流域、長崎県対馬、群馬県安中の事例と、それにかかわる全国的状況について、報告書としてまとめている。本報告書は、そこで得られた知見を踏まえ、兵庫県生野(市川流域)と石川県梯川流域の事例、そして、カドミウム腎症の公害病未指定問題の探求をとおして、上記の研究課題に迫ろうという意図のもとに執筆されている。第1章では、わが国のカドミウム問題の全体像を紹介し、生野、梯川の事例の位置づけを提示した。公害問題における被害・加害構造を解明しようとするとき、国や加害企業の対応とともに重要なのが、被害者に最も身近に接する地元行政の対策に関する考察である。それについて、第2章では、生野について、第3章では、梯川について考察した。その結果、(1)「被害者の発見」「補償の獲得」「健康管理」のあり方は、国の姿勢や判断等によって、全て規定されるわけではなく、各県レベルにおける、行政、地元大学研究者、住民運動の三者、特には県行政の対応の積極度によって、大きな違いが存在したこと、そして、(2)この違いは、各地の被害者が置かれた状況(派生的被害のレベル、健康管理の有無等)を大きく左右したこと、等を明らかにした。梯川の場合、さらに注目されるのは、世界をリードするほどの医学研究の成果である。この地での、腎障害に関する研究成果は、WHOのCriteriaにも、コーデックスの初期の米中カドミウム濃度基準0.2ppm以下という提案にも反映されている。つまり、世界の人々の健康管理に生かされているのである。しかし、わが国政府は、梯川をはじめ各地のカドミウム腎症の多発をカドミウムによるものと認めていない。世界で評価されているわが国の研究を、なぜわが国政府は評価しないのか。第4章では、この問いを、環境省とその医学研究班に対する社会学的検討を通して探求した。
著者
藤川 賢 片岡 直樹 除本 理史 石井 秀樹
出版者
明治学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

大規模な環境汚染からの地域再建には自然・社会関係の回復が必要であるが、とくに放射能に関しては、そのリスク評価をめぐる揺らぎなどが影響を及ぼす。他方で、産物や芸能などを含めた地域固有の伝統や文化の役割も大きい。これらの作用と過程には事例ごとの差があるものの、時代や国を超えた共通点も指摘される。本研究は、福島原発事故後の地域を中心に自然・社会関係の回復に向けた長期的過程を検討するものである。福島での調査では、阿武隈高地とその周辺を主対象とした事例調査等により、自然と人との関係、人と人との関係の回復を模索する。並行して、国内外の事例と比較総合しつつ、知見の国際的共有に向けた検討を行う。
著者
寺田 良一 舩橋 晴俊 平林 祐子 堀田 恭子 藤川 賢 堀畑 まなみ 原口 弥生 湯浅 陽一
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究においては、近年の急速な経済活動の国際化に伴い問題化しつつあるアジア太平洋地域における、環境負荷の移動、環境政策の相互影響、環境運動の交流などについて、一方で包括的にその時系列的、空間的な流れを解明する「環境総合年表」(すいれん舎刊)を作成し、もう一方で、その個別性と普遍性を考察する定性的比較研究(日本、韓国、中国、台湾、インド、米国等)を進め、研究成果報告書を刊行した。
著者
藤川 賢
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.421-435, 1993-03-31 (Released:2009-10-19)
参考文献数
52
被引用文献数
1 1 1

高田保馬は、日本において社会学理論を確立させた学者として知られている。しかし、他方では、彼が戦前から戦中にかけて行った一連の民族論に関して言及されることも多い。その場合に、多くの議論は、その内容以上に、高田の現実への対応の姿勢をめぐってなされており、また、その評価の間には、大きな賛否の違いがある。本稿は、高田の理論展開と民族論的言及とを追うことによって、彼の民族論の中で問題視される部分が社会学理論の展開との関連性を持っていることを示そうとし、その中で高田の目指した普遍的理論について検討し直そうとするものである。そこでは、高田の理論における「結合」の位置づけを中心に置いて考察している。高田の社会学理論は、「結合社会学」とも名付けられたように、「結合」を社会学の中心対象と考えながら構築された。だが、それが分析理論としての抽象性を高めていく中で、「結合」は中心的な位置から外され、諸個人に共通な、いわば「非合理な」傾向が彼の分析の対象になっていく。その時に、社会集団の成立と存続、そしてさらにその拡大と衰耗が、いかに連続して扱われうるか、という問題が指摘される。それは、高田が民族の団結を説く際にもあらわれている。その指摘の後、高田の理論展開の初期にまで戻って、それが「合理的に」捉えられ得たことを示した。その上で、理論に対する態度と関連させつつ高田の郷村への思いについて検討を加えている。
著者
河原 功志 篠原 拓嗣 藤川 賢治 大久保 英嗣 津田 孝夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.39-40, 1995-09-20

分散OSは従来のネットワークOSとは異なり、ユーザにネットワークの物理的配置を意識させないネットワーク透過性を実現している。ネットワーク透過性には位置透過性など様々な概念が含まれるが、規模透過性の実現をも分散OSには求められている。規模透過性とは分散システムの稼働中においても計算機の台数を増減することが可能で、かつ、システム構成の変更をユーザに意識させない性質である。本稿では規模透過性の実現する手法としてサイトの追加・切り離し方式を提案し、我々が現在開発中の分散OS DM-2に実現した。これらの機能によってDM-2は実行中のタスクを消滅や中断させずに、任意のサイトを停止して切り離したり追加して起動したりできるようになる。本稿ではサイトの動的な追加・切り離し機能を実現するために必要なローカルスタート・ローカルシャットダウン機能を提案する。
著者
渡辺 伸一 飯島 伸子 藤川 賢 渡辺 伸一
出版者
奈良教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

本報告書は、カドミウム汚染による健康披害、土壌汚染、農業被害に関する社会学的調査の研究成果をまとめたものである。カドミウム汚染は、他の重金属公害に比べて全国的に多発しているが、本調査では、中でも代表的な事例である富山県神通川流域、長崎県対馬佐須地域、群馬県安中碓氷川流域の3事例を対象とし、比較考察すると同時に、全国的状況の総合的把握を目指した。本調査は、イタイイタイ病(イ病)およびカドミウム中毒に関する公害史の試みの一つでもあるが、環境社会学的視点から、とくに、被害者、家族、地域住民、行政、医学者、研究者等の各主体による認識と対応、および、公害にかかわる被害の社会的増幅・拡大(被害構造)を、地域ごとの違いを含めて明らかにすることに留意した。報告書では、前半で富山イ病を中心とする全国状況の把握、後半の各章で各地域の歴史と現状をそれぞれ紹介する。カドミウム中毒は、骨への激甚な被害をもたらすが、より微量でもカドミウム腎症(近位尿細管障害)の原因となることが明らかになってきた。それは、土壌汚染やカドミウム汚染米等の農業被害の問題ともかかわる。そのためもあり、カドミウムによる健康被害をめぐる医学論争は、イタイイタイ病訴訟や「まきかえし」の時代から30年以上たつ現在も継続している。本調査では、この論争をめぐる社会的要因を探ると同時に、論争の背後での被害者への影響を確認した。
著者
藤川 賢治 太田 昌孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.86, pp.57-62, 2009-06-11

本稿では階層化QoSルーティングプロトコルHQLIPにおける広告メッセージ削減手法を説明し評価を行う。HQLIPでは「より悪い情報」か「同じかより良い情報」によって広告間隔を変化させることで、過大広告を禁止しつつ広告頻度を低く一定に保つ。HQLIPの広告手法によりシグナリング開始後の失敗を排除する広告量削減が可能となり、クランクバックが不要となる。
著者
古村 隆明 藤川 賢治 岡部 寿男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.309, pp.49-53, 2006-10-16
参考文献数
11
被引用文献数
2

みあこネットは,無線基地局の設置者が費用を負担し,そこを訪れる利用者に無料の無線インターネットを利用してもらうという,「おもてなし」の心をもとにした独特のモデルで成り立っている公衆無線インターネットプロジェクトである.我々は2002年5月からみあこネットの設計・開発・実験運用を行ない,安全に無線インターネットを利用するためにVPN接続を必須とするネットワーク環境を構築した.本稿では,従来の集中型VPNサーバを利用する「みあこネット2」方式の問題点を明らかにし,VPNサーバの分散について検討を行なった.そして,基地局にVPNサーバ機能を内蔵するという,「おもてなし」の心でみあこネットを支えている基地局設置者にとっても有益な「みあこネット3」のモデルを提案し,設計を行った.
著者
藤川 賢
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.320-334, 1996-12-30

共同体主義にたいしては, 近代を擁護する立場などからいくつかの批判がなされてきているが, 共同体の意義を説こうとする姿勢を単純に批判することは難しい。個人主義の存在論的解釈への否定は近代についての見方を深めるためにも有用であると考えられ, 実際に個人の解放という議論の中でも共同体への視点は重要性を増している。本稿は, この点での共同体主義の意義を認めたうえで, なお共同体が主義として主張されることの問題を追及しようとするものである。特に, 共同体的なつながりへの重視を個人の社会への従属から峻別する保証をどこに求めるかという点を中心にしながら, G.H.ミードの社会的自我論と対比的に検討を行った。そこで論じたのは, 第一に, それらがミードと同様に社会の中から個人を捉えようとする立場を取りながら, そのことと共同体に共通する道徳の取得との区別が曖昧になっており, 結果として, 個人が社会的変化に与える影響を見る視点を狭めていることである。第二には, このように共通の道徳を強調するために, 社会改革の方向がその範囲内に限られ, 伝統主義的にならざるを得ないことである。それらにたいして本稿では, 他者の態度を取得するという社会的自我の成立を社会的な能力として見るミードの考え方からは, 諸個人が社会の範囲を拡大し, 社会改革への役割を持つことを強調する, 共同体と個人を相互的に捉える視点が可能なことを示した。
著者
藤川 賢治 太田 昌孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.260, pp.29-34, 2010-10-21

インターネットの大域経路表の増加を抑えるには、徹底した階層化アドレスと、経路制御に依らないマルチホームが必要である。経路制御に依らないマルチホームは、末端サイトだけで無く、中間レベルのISPやローカルISPが複数の上流からアドレス空間を取得し、それらを活用することで可能である。このようなマルチホームを我々はEnd-to-endマルチホームと呼んでいる。本稿ではEnd-to-endマルチホームを考慮しルータの手動設定を削減した階層的なアドレス割当プロトコルとしてHierarchical Automatic Number Allocation(HANA)プロトコルを設計し実装する。またDNSとの連携についても議論する。
著者
帆足 養右 平林 祐子 船橋 晴俊 寺田 良一 池田 寛二 高田 昭彦 鳥越 皓之 海野 道郎 関 礼子 藤川 賢
出版者
富士常葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本プロジェクトでは、1)環境問題史および環境問題の社会調査史の整理、2)アジア・太平洋地域諸国における環境問題の歴史的展開と環境社会学的調査および研究動向の把握、3)わが国における環境社会学の形成・発展の過程の総合的検討、の3つの作業を行い、下記の成果をまとめた。(1)故飯島伸子・富士常葉大学教授が遺された、公害・環境問題の社会調査資料約6,000点の整理分類とデータベース作成作業を行い、それらを収めたCD(Ver.2)と文庫の概要を示すパンフレットを作成した。「飯島伸子文庫」は、環境社会学と社会調査についてのアーカイブとして完成し、一般に利用可能となった。(2)研究分担者らがそれぞれのテーマで、環境社会学の理論的、実証的研究を行い、26本の論文からなる報告書(全423頁)にまとめた。論文のテーマは、飯島伸子文庫と環境年表、日本の公害・労災問題、環境問題と環境運動、環境社会学理論と環境教育、地球とアジア・太平洋地位の環境、の5つに大別される。(3)飯島教授の代表的著作『公害・労災・職業病年表』(公害対策技術同友会,1977年)の索引付新版を出版し(すいれん社より2007年6月刊行)、さらにその「続編」に相当する(仮称)『環境総合年表(1976-2005)』のための準備資料として、『環境総合年表(1976-2005)準備資料1・統合年表』(全317頁)と、『環境総合年表(1976-2005)準備資料2・トピック別年表』(全166頁)を、本プロジェクトのメンバーらで分担・協力して作成した。これらは、主要な公害/環境問題について、分担者らがトピック別に重要事項を挙げた年表を作成する方式で編集され、全部で65のトピックを扱っている。今後更なるデータの吟味・追加が必要ではあるが、飯島教授の仕事を引き継ぎながら、環境問題および環境社会学と調査史について総合的に辿ることのできる資料となっている。