著者
平井 有三 落合 辰男 安永 守利
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.1185-1193, 2001-06-01
被引用文献数
9

ディジタル回路を用いて, すべてのニューロンが非同期に動作するパルス密度型ディジタルニューラルネットワークシステムを開発した.システム規模は, 1008個のニューロンが7ビットの精度をもつ100万個以上のシナプスで相互結合されたハードウェアであり, 世界最大規模のものである.本システムの特徴は, ディジタル回路を用いながら個々のニューロンの動作が非線形1次微分方程式に従うことにある.したがって, 1000次元の非線形連立1次微分方程式を連続時間でしかも並列的に解くことができるシステムとなっている.1000個を超えるニューロンを物理的に相互結合するために, パルス密度を用いて信号線数を削減し, シナプス結合係数の精度を7ビットに抑え, シナプス出力の空間加算をパルスのOR回路で簡略化するなどの手法を用いた.これらの簡略化にもかかわらず, 手書き数字を用いた最近傍法による識別実験結果は, 浮動小数点演算を用いたワークステーションと比較して遜(そん)色がないことがわかった.本システムはインターネットに接続されており全世界からアクセス可能である.ホームページアドレスは, http://www.viplab.is.tsukuba.ac.jp/である.
著者
村上 明伸 平井 有三
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.39, pp.129-136, 1996-06-21

辞書を用いた言葉の意味の脱曖昧化は、各見出し語と連合した複数の語義の中から一つを選択するととである。電子化辞書の各見出し語と語義をノ一ドとする連想記憶回路を構成し、連想基準表から選んだ意味的関連語の意味の脱曖昧化に関する実験を行なった。その結果、ランダムに意味の組合せを選択した場合の正答率が約20%であるのに対して、70%以上の確率で正しい意味の組合せが検出できることが分かった。